碧いラフレシアの花  その876 | 連載性春小説  碧いラフレシアの花

連載性春小説  碧いラフレシアの花

好きじゃない人と天国へ行くよりは


好きな人と地獄に行きたい


ある女の子の80年代

「そんなことないよ。」


TAKAがはっとしてあわてて言った。



「もともと乱人のバンドが有名で、俺のLのメジャーデビューの話がぽしゃって、それで一緒にやったんだ。乱人君の名前がなかったら動員はあんなになかった。」



乱人君はおじさんになってもそういう風に言ってくれるTAKAがなんとなくうれしかった。



「シングルとか共作したろ?」


TAKAがムキになって言った。


ムキになって励ましてくれる風なのが、なぜか変にうれしかった。



「いや、真帆さんは男を見る目があるんだよ。あんなに石ころみたいにいる中から原石を見つけられる。」


「男にだらしないだけだろう。」


「TAKAちゃん、昔処女だった・・とかのろけてたよね。」


「ははは・・・。どこの処女だかしらないが今じゃ下品なレディースコミックで亭主の下ネタ漫画描いてるけどね。」


TAKAが寂しそうに笑った。




「B・Bで音楽的に高かったのは俺と乱人だけだと思う。」


TAKAがきっぱり言った。


「俺は曲は描けたがベースは下手くそだった。乱人は曲も書けたし、ギターも上手いし、品がよくて女の子にうける顔をしていた。この人がいないと自分はダメだと思った。」


それから小声で「KENちゃんのことは友達として好きだった・・・。でもどうしても俺は売れたかった。KENちゃんがアル中になった時自分は実はほっとした・・。」と言った。


それから遠い目で合成樹脂枠に囲まれた昔の自分のポスターを見ながら


「それで真琴を入れたんだ。いい大義名分ができた。KENちゃんを首にできた。」とつぶやいた。



乱人君は何も言えなかった。



「真琴のおかげで売れた。KENちゃんには悪かったなぁ・・と思った。」