碧いラフレシアの花  その875 | 連載性春小説  碧いラフレシアの花

連載性春小説  碧いラフレシアの花

好きじゃない人と天国へ行くよりは


好きな人と地獄に行きたい


ある女の子の80年代


乱人君が電気ストーブを全開にした。


量販店で買った安物だったが新しくて銀色にピカピカ光っていた。



80年代のお化粧バンド時代のポスターは合成樹脂の水色の枠にはまって額縁に入っていた。



乱人君の暮らしぶりはバンド時代と特に変わらなかった。




変わったのはTAKAだけだった。




乱人君がイチゴ大福をTAKAに勧めた。



「あ、ありがとう。イチゴだー。大きいイチゴだー。」


TAKAが子供っぽくふざけた調子で食べながら言った。



乱人君は急に自分の人生が寂しくなった。





「TAKAちゃん。TAKAちゃんはイチゴ大福のイチゴなんだよ。メジャーデビューができたのはTAKAちゃんっていうイチゴがいたからだと思う。」


乱人君が昔を思い出しながらゆっくりとした口調で言った。





そして売れないころのそのイチゴにしゃぶりついたのがグルーピー時代の真帆だった。



その後2人は夫婦になったが、その夫婦喧嘩さえも今は金になるらしい・・・・。





「俺なんか喧嘩のネタになるような女も子供も金もなにもないよ。」



乱人君が寂しそうに笑った。