乱人君は真帆を見ながら昨日の電話のKENちゃんのやるせない声を思い出した。
乱人君と真帆の目があった。
真帆がまた目を伏せた。
やましいことをした人間の目つきだ・・・と乱人君は真帆を内心小馬鹿にした。
「KENちゃんもくればパーフェクトだったのにぃ~。」
能天気にTAKAがちゃらけた。
しんちゃんがさっと席を立った。
TAKAがKENちゃんの友達のその他の2人の経営者に話しかけた。
「ライブハウスのオーディションの審査を俺がしてもいい・・。」
TAKAが上機嫌で言った。
「え・・?いいんですか?」一人の経営者が喜んだ。
「やだな~、沢田貴章さんがこんなところでオーディションって場違い。」と言いながら満面の笑顔でほかのもう一人の経営者が喜んだ。
「その代りオーディション代を全員からがっちり徴収するんだ。あと優秀だったら沢田貴章の事務所でデビューさせるって釣れヨ。」
TAKAがさらに嬉しそうに言った。
それからしばらくしてTAKAがにっこり笑って真帆を見た。
「ライブハウスのおかみになるか?奥さん?」と言いながらTAKAが真帆の手を強く握った。
真帆がTAKAの手を強く握り返しながら「全部ビジネス買っちゃいなよ。なんで折半なのよぉ。」とTAKA
の耳にささやいた。
その真帆の言葉を乱人君は逃さなかった。
乱人君が真帆をさらに軽蔑の眼で見た。
真帆はそれを無視してTAKAだけを熱く見ていた。