碧いラフレシアの花 その737 | 連載性春小説  碧いラフレシアの花

連載性春小説  碧いラフレシアの花

好きじゃない人と天国へ行くよりは


好きな人と地獄に行きたい


ある女の子の80年代



KENちゃんが深夜、アパートにサンドイッチマンの仕事から帰宅した。


TAKAの「KENちゃん、唄やめたの?」という人を馬鹿にした言い草を思い出して腹が立ってきた。






また隣のアパートの部屋から夫婦喧嘩の声が聞こえてきた。



ここ、家賃安いから柄が悪いんだよね・・全体的に・・・



KENちゃんがため息をつきながらビールを開けた。




ナンシーに持ち逃げ去れたので、当面の生活費は中村さんに借りた。

中村さんに金を返さなければいけないのでKENちゃんは何ひとつ贅沢は出来なかった。



KENちゃんは電子レンジでもやしをチンしてポン酢をかけて夜食にしてみた。



貧乏で痩せたなー。

ダイエットになっていいのか・・・。なんかなぁ・・。


KENちゃんはもう、何もかもが情けなくなった。


隣の部屋のオヤジが夫婦喧嘩で何か陶器のような物を割った音が聞こえた。



急にKENちゃんは自分の息子の顔を思い出した。


腐った結婚で、腐った子供時代を息子に提供した自分に罪悪感が起こってきた。

最近、結婚していた時の自分を思い出して自責の念にかられる事が多くなった。


首吊って死んだ女房の呪いかな・・バチかな・・・。


KENちゃんは悲しくなった。



KENちゃんが布団の中に入ってもまだ夫婦喧嘩は続いていた。



KENちゃんは金をフィリピーナに騙し取られたという事実にも、情けなくなってきた。




ごめんね。クリスマスプレゼントしょぼくなると思う・・・。


KENちゃんは息子の顔を思い出して悲しくなった。


パパもちょっと幸せになりたくて夢を見ちゃったんだよ・・・。

ごめんね・・・。








恋したはずのフィリピーナたち/家田 荘子

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