碧いラフレシアの花 その733 | 連載性春小説  碧いラフレシアの花

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好きじゃない人と天国へ行くよりは


好きな人と地獄に行きたい


ある女の子の80年代



TAKAが焼肉を食べた後同じ道を通って駅に向かった。


そこにもうKENちゃんの姿はなかった。




TAKAは帰りの電車の中で昔の事を思い出した。



KENちゃんは自分の妻真帆が3年間同棲した男だった。


最初真帆はグルーピー上がりの自分の女だったが、真帆がアパレル会社のおっさんと浮気したので、メジャーデビューの次の日に捨てるという制裁を加えてみた。

それでも自分は真帆が好きだったのだろう。

真帆には気が弱いところがあるので何となく不安になり、バンドメンバーのKENちゃんに様子を見てくるように頼んだ。話が面倒くさくなるからKENちゃんには、真帆には手を出さないでね・・と念を押したのに、しっかりホテルにKENちゃんは真帆を連れ込んで、くだらない様子の見方をしてきた。

ハイハイと適当に調子を合わせて、嘘八百でフェアなプレイをしないKENちゃんにかなり腹が立った。

次に付き合った女が気が強くてたまらなかったので、もう一度真帆とよりを戻そうと自分から連絡を取った事をTAKAは思い出した。

ああいういっぱいいる女の子の中からかなり執着していたので、自分なりに真帆には惚れていたのではないかと今更ながらTAKAは思った。




真帆に復縁しようと電話した日の事をTAKAはありありと思い出した。あれは10年前だった。





「あ・・、俺。」TAKAがむっとした感じで言った。

「KENちゃん・・?」

「違う、昔の男のTAKAちゃん。」

「うわ・・・、何で?どうしたの?」

「いや・・・、どうしてこんな事になってるのかな・・・?と思って。聞きたいこととかあるし・・。」

「あ・・・、あのね。私、今KENちゃんが本当に好きで・・。」

「え・・、俺よりも好きなの?最後に留守電でどんな事があってもずっと好き・・って言ってくれたよね・・?」

「うん、その時はそう思ったけど・・今はKENちゃんが一番好きなの。」

「お・・おい・・、元々俺のファンだったよね・・。自分は真帆とやり直したい。」

「バンドとかどうでもよくて、ただKENちゃんが好きなの。家も近所だし凄く気があうし。音楽やめて普通のおじさんになっても・・やっぱり同じようにKENちゃんが好きだと思う。今度ここ出て一緒に暮らすんだ。
ごめんね・・・。TAKA。」



「あ・・あ・・そこまで言うならもういいよ。真帆、元気でね。」

「うん、TAKAも無理しちゃダメだよ。お財布と香水使ってる?」

「うん。あんな高いのありがとう。」

「ああ、いいよ。いいよ。TAKA今までありがとう・・。」

「んじゃ、バイバイ。」TAKAが悲しそうに言った。

「TAKA・・バイバイ。」真帆もちょっと悲しそうに言った。





そうだ・・・真帆は戻らなかった。

真帆はKENちゃんが一番好きだったんだ・・・。






ふと見ると電車の車内吊り広告が目に入ってきた。



「早坂まりあ。拒食症からの復活。幸せ太り、リハビリ2段顎。沢田隆章家庭愛ひとすじ」


と書いてあった。


なんだこりゃ?女性週刊誌か・・・

そういや、真帆太ったよなー。

お母さんに揚げ物地獄やめるように言おう・・・。


体脂肪率を上げて排卵を復活されるプロジェクトで、最近の真帆のお母さんの料理は油っこかった。