「最後まで、ぎりぎりまで待って欲しい。今日は決められない。」
ナンシーが苦しそうに言った。
「ビザが切れるんじゃないのか?」
「そのギリギリまで。」
「ビザが切れたら飛行機とかはどうするの?」
「日本からフィリピンまでいっぱい飛行機ある。へいき。ビザ切れるちょっと前にチケット買う。」
「そうかな?大丈夫?とりあえず結婚したほうがいいよ。」
ナンシーが困った顔をして
「今日はまだ駄目。」と言った。
このままナンシーに捨てられる自分を想像して、KENちゃんは悲しくなった。
「もし、今俺と結婚するのが嫌だったら、フィリピンでもう一回考えて欲しい。お金貯めて迎えに行くから。」
KENちゃんはナンシーを失いたくなかった。
「マニラの住所教えるよ。電話ないけど手紙ちょうだい。」
ナンシーが言った。