「ビザが切れる直前でいい。ラッキーとかアンラッキーとか信じない。」
ナンシーがKENちゃんの目を見ないで言った。
ここのところナンシーがよそよそしく違う人のようになっていた。
ナンシーはもう結婚したくないんだろうか・・・?
同棲してから俺が少しづつ嫌になったんだろうか・・?
二人で住むには狭すぎるアパートの部屋をぐるりと眺めまわしながら、KENちゃんは心細くなった。
KENちゃんは前回の結婚の失敗を繰り返さないように
お酒もナンシーの前ではあまり飲まないようにしたし
きつい言い方も改めるようにした。
できるだけ優しい未来の夫像を演じる努力もしてみた。
「青木さん・・ワタシもう日本に住まなくてもいいかな・・と思うときがあるよ。」
ナンシーが苦しそうに言った。