それから数週間後に家族四人で真帆はハワイに行った。
生まれて初めて飛行機に乗った。
飛行機でむずかる絵里奈をTAKAがおんぶしてなだめた。
通路を何回も行ったりきたりして真帆の子供の面倒を見てくれた。
この時もう自分の人生は完全に変わったのだと真帆は悟った。
真帆が19歳の冬に
真帆の浮気に激怒して
TAKAがKENちゃんにしている借金5万の肩にKENちゃんと寝ろと
鬼の様なことを言った
23歳のベース弾きのTAKAの姿はもうなかった。
高度が変わって耳鳴りがしてきた。
KENちゃんとの不倫を思い出して胸が痛んだ。
絵里奈がTAKAにおんぶされながら眠そうな顔をしだした。
隣に座っていたお母さんが
「TAKAちゃんがね、あんたが入院していた時に、絶対に絵里奈と私とあんたを見捨てないでまとめて一生面倒見るって、私に言ったんだよ。」
と真帆に言った。
真帆が涙ぐんだ。
「何で私を見捨てないのかな・・・?」真帆が涙声で言った。
KENちゃんの安アパートでTAKAに内緒でKENちゃんに抱かれ続けた、不倫の日々を思いだして真帆は胸が痛んだ。
娘の絵里奈のおしめまでお母さんに取ってもらった、駄目な自分の母親ぶりにも、真帆は本当に申し訳ない気持ちになった。
「あんたは駄目だから、二人目の子供は私が元気なうちに作ったほうがいいよ。」
「わたしみたいな無責任な人間がまた子供なんか作っていいのかな?」
「TAKAちゃんは欲しいって言ってたよ。でも真帆の体の負担になるからもう諦めたって。」
「そう・・・。」
真帆は少し寂しい気になった。