「青木さん、子供の母さん探してるの?」
ナンシーが唐突に言った。
「え?息子の母親は死んだよ。」
「そうじゃなくて、もう一回結婚して子供のご飯作る人探してるの?」
「まあ、できれば。」
「私を試してみるか?」
「え??」
「わたしをどう思う?」
「かわいいよ。」
「可愛いお母さんを試してみるか?」
KENちゃんが引きつりだした。
どうも客から日本語を教わるらしくナンシーの口調は時々野郎のそれになった。
「つきあうか?」ナンシーが命令調の日本語でKENちゃんに聞いた。
「つきあいます。」KENちゃんが答えた。
ナンシーがにっこり笑ってKENちゃんの腰に手を回した。
急に女性誌のタイトルの「早坂まりあ連載無期休止 拒食症地獄 生命風前の灯」が目に飛び込んできた。
真帆御免ね。
KENちゃんは真帆に心の中で謝った。
俺は真帆を幸せにはしてあげられないよ。
許してくれ。