正月の夜にKENちゃんの実家にギターの中村さんが仕事の事で電話して来た。
KENちゃんと中村さんはかなり親しくなっていた。
「KENちゃん、おとうさん役はどう?親子対面はどうだった?」
「凄く楽しかった。生きがいができた。」
KENちゃんが嬉しそうに言った。
「ひとひとぴっちゃん・・というか、子連れ狼というか、やもねだね、KENちゃんは。」
中村さんがからかいながら言った。
「まあ、色々ありましたから。」
KENちゃんが恥ずかしそうに言った。
「沢田隆章の奥さんどうしたの・・?」中村さんが興味深々に聞いてきた。
「最後に電話でクリスマスに冷たい事言ったから、もう連絡来ないと思う。そのつもりで言ったし。」
「何を言ったの?」中村さんが楽しそうに聞いた。
「仕事・・ってか・・・、コンビニか?仕事頑張ってね~ってあいつが言うからさぁ・・・なんかもううざくなって・・。はーい。頑張りまぁす。真帆の旦那さんみたいに金ねえしな!って言ったら、場が固まった。」
「すんごい自虐的・・・。青木君。」
「俺も言った後情けないと思った。フォローもしようなく終わっちゃったよ。」
「寂しい?」中村さんがおちょくったように聞いた。
「ははは・・。もう俺、子供いるから。忘れるよ。」
「今度沢田隆章が構ってくれなくて、あの奥さんが物欲しそうにして来たら、僕の電話番号、あの奥さんに教えてあげて。青木君の代わりにちゃんと面倒見るから。」
KENちゃんが苦笑しながら「もう、そんな日来ないよぉ。」と言った。
「何だかんだと好きだったんでしょ?」と中村さんが笑いながら聞いた。
「好きなだけで引っ張れる話じゃないだろ。」
KENちゃんが答えた。