KENちゃんは90年のお正月を自分の息子と迎えた。
離婚後自殺した妻の実家が、親権をKENちゃんに渡したのだった。
妻の両親は高齢で、孫を施設に渡すよりはマシだという理由だった。
息子はもう4歳になっていた。
KENちゃんの両親が子供の面倒を見て、幼稚園はKENちゃんの実家から通うことになった。
KENちゃんは仕事がないときにできるだけ都内のアパートから通って子育てに協力することになった。
正月に息子と凧揚げをしながらKENちゃんはここ10年くらいの人生を回想した。
もう会えないと思っていた
息子が帰って来た。
それだけでも奇跡なんだから
あんまり多くは望まないようにしよう。
KENちゃんはまた新たに人生がはじまったような気がした。
過去10年くらいの自分の人生にもうピリオドを打った気がした。
何故かKENちゃんの息子はKENちゃんにすぐなついた。
そういえば死んだ妻がエアロビに凝っていた時
よく俺が公園に連れて行ってやったよな・・と昔を思い出した。
何故自分が好きになる女はこうも墓場が近いのか、KENちゃんには不思議だった。
妻も愛人も奇妙な死に方をした。
真帆も昔からどこか危うい人だった。
自分がそういう女を好むのか
自分と付き合うと女がああして駄目になるのか
ここらへんはKENちゃんにも良く分からなかった。