碧いラフレシアの花 その663 | 連載性春小説  碧いラフレシアの花

連載性春小説  碧いラフレシアの花

好きじゃない人と天国へ行くよりは


好きな人と地獄に行きたい


ある女の子の80年代

「もういつまでも子供じゃないんだから、何とかしろよ、お前。駄目女でもまた子供産んだら許してやる。このまま老けておばさんになったら、他の女に走りそう。」

TAKAが怒った口調で言った。


ああ子供か・・・。


また19歳の時流産して黒いポリ袋に入れて捨てた子供の事を考えた。



「子供ね・・。昔、昔、欲しかったよ。自分がもっと子供だった時に、もっと欲しかった。」



最初にTAKAと付き合った時は本当にTAKAの事は好きだった。


急に自分が10代の時の事を真帆は思い出した。










仕事が終わった後スーツのまま真帆は赤い地下鉄に乗ってTAKAに会いに行った。

その日は休み時間にトイレでつわりで吐いた。

現実がひしひしと迫っていたけれどTAKAには変わらない愛を誓っていた。

どうしてこんなに好きになれるのか良く分からなかった。



TAKAの部屋のドアをノックして開けたら相変わらず美しいTAKAがタバコを吸っていた。




TAKAは機嫌が悪そうだった。

昨日の電話と打って変わって機嫌が悪かった。

いつもの気分屋のTAKAだった。


メジャーデビューの話になった。

メンバーの仲が悪いので最初っから曲のクレジットをバンド名義にして、収入は等分という事になったそうだ。

TAKAは曲が書けるから、これは不満だった。


ゴミだらけの汚い部屋の隅にTAKAが曲を書いた譜面が散らかっていた。


何にも出来なくてわがままだけれど、こういう曲を書けたり・・・実はアーティなんだよ・・と真帆は分かっていた。

絶対にTAKAを手放したくなかった。




本当に愛していた。








私が愛したTAKAはこんな顧問弁護士や会計係がいるTAKAではなかった。


ハワイの別荘なんてもうどうでもよかった。