クリスマスから食が細くなった真帆をTAKAがやたら構うようになった。
TAKAはお母さんから真帆が高校生の時一時期拒食症になったと聞いた。
当時付き合っていた男子校の同い年の男の子と上手く行かなくなって、それから痩せ始めたという。
お母さんと生理が止まった時点で病院に行ったとお母さんが教えてくれた。
「もう、大変なんだよ真帆は。その男の子と別れてね、それからTAKAちゃんのバンドをお友達と観に行きだしたんだよ。それから多少明るくなった。お化粧とか厚くなって嫌だったんだけど、変な男と付き合わせるよりは安心かと思って。」
TAKAは昔の真帆を何一つ知らなかった。
「真帆の高校の時の彼氏ってどんなの?」
TAKAが苦笑しながら聞いた。
「えー、履きつぶしたわらじみたいな顔した小僧だったよ。あれと女の子作ったらもう顔はオシマイ。真帆の女子高の偏差値が低いとか、偉そうなこと言って苛めてね。あんな不細工のせいで娘が餓死すんのかと思ったら腹が立ったよ。」
「そんなに拒食症ひどかったの?」
「ひどかったよ。あたしゃ泣きながら口の中にスプーンで手乗り文鳥の赤ちゃんみたいにご飯入れた思い出があるよ。」
「TAKAちゃんは全然真帆に手を出さなかったね。常識あるね。」
「その頃の真帆を知らない。話した事もないし、顔も見た事もない。」
「でも、よく高校生の時観に行っていたよ。」
真帆は大人しくて自分からTAKAに声をかけたり、コアな常連の仲間になるような子じゃなかった。
TAKAにはそれがよく分かった。