碧いラフレシアの花 その640 | 連載性春小説  碧いラフレシアの花

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好きじゃない人と天国へ行くよりは


好きな人と地獄に行きたい


ある女の子の80年代


「いいなぁ。青木君はあんな人妻が抱けて。」中村さんが茶化したように言った。

「いや、変に知ってる奴の奥さんだから、かえって苦痛なんですよ。」

「沢田隆章と仲がいいの?」

「いや、昔は良かったんだけど。あいつは少しずつ変わった・・っていうか、元々誰の事も好きじゃない奴だと思う。」

「ふーん。バンド辞めた理由って何だったの?オーディションの時音楽性の不一致とか言ったんだけど、みんなそれを言うんだよね・・。」

「俺がアル中で首になった。」

「え?そうなの?今は全然違うね。」

「沢田隆章のバンドだから、デブになったとか、俺の歌を酔っ払って汚く歌うとか・・あいつに散々言われて首になった。」

「うーん。あのバンドって全員拒食症みたいだったけどね。青木君はもし酔っ払ってたとしても基本は上手いと思うヨ。」

「そのあと2代目がすぐに加入したから、最初から仕組んでたんじゃないか・・とかかなり人間不信になった。」

「2代目ボーカルってマコちゃんだろ?乱人君が男色って教えてくれた。マネージャーに掘られてるのも見たって。嗚呼くわばら。くわばら。」

中村さんは興味深々にさらに聞いてきた。

「いつ頃沢田さんの奥さんと付き合っていたの?」

「すんごい昔。付き合ったのが9年前で、別れたのが6年前。3年同棲してた。」

「すぐ同棲したの?」

「うん。何か凄く好きだった。」

「どこで知り合ったの?」

「沢田隆章が捨てたグルーピーだった。結局あいつのおこぼれだった。」KENちゃんが苦笑しながら言った。