TAKAがむっとした顔をしてクリスマスの早朝に家を出て行った。
もう真帆も28歳になっていた。
19歳の時KENちゃんと一緒に過ごした
真帆の短い人生で一番幸せだったクリスマスをまた思い出した。
まだ真帆の漫画の連載は好調だった。
正直もう漫画の連載はやめて
漫画家もやめて
専業主婦になりたかった。
TAKAが恐ろしいほど稼ぎ出したので
真帆は自分の仕事に対する情熱も消えていったのに気がついた。
連載の少女漫画も出版社が真帆に頼み込んで連載を続行させている状態だった。
金になるので意地でも出版社が完結させないように進めていた。
真帆は全てを捨ててKENちゃんの元に走っても
KENちゃんの稼ぎで専業主婦が無理なのは良く分かっていた。
ついでに真帆は子供がこんなに疲れるものだとは知らなかった。
真帆自身にあまり母性はなかった。
娘はTAKAにべったりだった。
何で昔みたいに
ただ好きな人がいれば
お金がなくても
仕事が無くても
生きていけると思えないのだろう。
あれから10年近くの時間が流れて
全てが変わってしまった。