その日はクリスマスなのでアシスタントに休みをとらせていた。
おかあさんと娘の絵里奈と3人で朝食をとった。
絵里奈の口から流動食がこぼれていた。
子育ての全てが面倒くさかった。
TAKAと結婚したのも
TAKAの子供を産んだのも人生の失敗だと思った。
絵里奈がじっと真帆を見た。
真帆が目をそらせた。
子供は汚いと真帆は思った。
お母さんが口をふいてあげて、さらに絵里奈におかゆを食べさせた。
「TAKAちゃんそっくりで美人さんだね~。」
おかあさんが絵里奈に話しかけた。
「絵里奈のおじいちゃんもいい男だったけど、何もしないで死んじゃったよ。」
おかさんが絵里奈に話し続けた。
「何もしなかったんじゃないんでしょ?絵が売れなかっただけでしょ?」
真帆が言った。
「自称芸術家とか物書きはただ女を不幸にするんだよ。真帆、あんたが羨ましいよ。あんたくらい器量よしだったらTAKAちゃんみたいなのと玉の輿に乗れるんだねぇ。」
お母さんがため息をついた。
こんなふざけたTAKAなんか死んだ相田美穂にノシをつけてあげるよ・・・と内心真帆は思った。
「えっ?玉の輿???売れなくて3万貸したこととかあったよ。そのままトンズラして逃げそうなうさんくさい男だったよ。売れない頃から態度がでかくてさぁ・・・。」
「ちゃんと子供の面倒は見てくれるし、こんな家に住ませてもらってるんだよ。」
「昔は私のマンションに住んでた紐だったよ。」
「あんたね、TAKAちゃんは今は有名プロデューサーなんだよ。」
「可愛い女オーディションして、自分の会社に就職させてプロデュースするのが生業なんでしょ。いやだ。いやだ。その前はふざけたベース弾きだったよ。」
「でも、あんた高校生の時はマメにTAKAちゃんを観に行っていたじゃないか。」
おかあさんが笑いながら言った。
「わたしは貧乏でもKENちゃんと結婚したかったなぁ。」
真帆が寂しそうに言った。
「逃げちゃったのはよく見えるんだよ。今KENちゃんの嫁とかやっていたら、プロデューサーのTAKAちゃんと結婚していたらなぁ・・とかどうせ思うんだよ。大人になんなよ。少女漫画の描きすぎなんだよ。」
真帆はお母さんに
KENちゃんと隠れて
今でも
ずっと二人でアレをしていて
ずっと愛しています・・・とはとても言えなかった。
でもKENちゃんが自分の事を愛してくれているかどうかは
自信がなかった。