KENちゃんはTAKAにコンビニで言われたように繊細な真帆を傷つけないように、優しく接するようにした。
でも肝心の真帆に手を出すなというTAKAの意見はことごとく無視していた。
TAKAがオーディションをして女の子3人組みのセクシーユニットを結成した後、TAKAはこの女の子3人組に相田美穂のような売れ線を歌わせてみた。
不思議なほどTAKAは儲けた。ヒットが続いた。
自分の事務所の商品なので丸儲けだった。
いつ頃からかTAKAと真帆の関係性のバランスが崩れ始めた。
真帆はふと昔結婚前にTAKAと喧嘩した時
「B級ロッカーのくせに!」とTAKAに叫んだ事を思い出した。
もうTAKAはB級ロッカーではなかった。
有名プロデューサーだった。
クリスマスにTAKAは仕事があった。
「クリスマスだからって、変な売れない俺の昔のバンドメンバーに喰われないでね。」
TAKAが茶化しながら真帆に言った。
真帆は何も答えなかった。
「俺のそっくりさんの少女漫画描きすぎて、頭の中が永遠の18歳でお花畑みたいだからなぁ、真帆は。KENちゃんみたいな月給14万くらいの30過ぎのメタルのおじさん、普通の女は引いちゃうよ。お前、もう母親なんだぞ。早く大人になってね。」
「KENちゃんが歌ったからあんたメジャーデビューできたんじゃないの?」
真帆がむっとして答えた。
「あはは。でもあいつは俺がオーディションで最後に加入させたメンバーだったな。あの頃KENちゃん10代で可愛かったよ。あんな家庭内暴力のおっさんじゃなくて。」
「あんたは性格に問題があるよ、TAKA。」
「おまえは問題がないのか?」
「ないよ。」
「いや、いっぱいあるだろう。あるから俺と18の時からだらだら続いて夫婦なんだよ。」
「クリスマスなのに嫌な男。」
「KENちゃんにバンド辞めてもらったから今の俺があるんだよ。」
「あんた、もう大嫌いっ。」
「14万って・・俺の日給か?」
「早く仕事に行きなよっ!」