碧いラフレシアの花 その617 KENちゃんとジャパメタバンド | 連載性春小説  碧いラフレシアの花

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好きじゃない人と天国へ行くよりは


好きな人と地獄に行きたい


ある女の子の80年代

31歳月給13万のジャパメタKENちゃんの彼女作りは難しかった。


KENちゃんのバンドメンバーは全員KENちゃんより年上だった。


ギターの中村さんという人が始めたバンドで、何故か全員ステージネームは無く、全員本名のフルネーム漢字書きで仕事をした。

だからKENちゃんもそれに習って本名で歌った。




プライバシーないじゃんか・・・。



KENちゃんはこの制度に不満があった。




そのせいでU子さんの他にも電話帳を酷使してKENちゃんのアパートに電話をしてきた女の子がいた。



誰が言いだしっぺなんだ・・・。ステージネーム制をプライバシーの保護の為に採用しろ。



KENちゃんは色々バンドに不満だった。






KENちゃんはそれでも中村さんの指示に従った。結局無職よりはジャパメタのほうがマシだと思った。

紹介してくれた乱人君にも悪いと思った。






中村さんはギターの弾きすぎでいつも機嫌が悪いおじさんだった。


太りすぎでキツイ服が嫌いらしく、ウエストの両脇がゴムの黒スリムジーンズを愛用していた。

そうまでして黒スリムを履きたい中村さんの気持ちがKENちゃんには分からなかった。


「青木君、うちのバンドは国内マーケットはないけどアメリカではウケるから。」

中村さんがKENちゃんに言った。


外貨で給料が振り込まれたことなど一度もなかった。


おっさん大風呂敷だなぁとKENちゃんは呆れた。









それから2週間後にバンドのマネージャーが、アメリカのB級バンドのクラブツアーの前座の仕事をゲットしたと喜んでバンドに報告した。


KENちゃんはアメリカなどもうどうでも良かった。


ただ月給13万地獄から解放されたいと思った。



アメリカドルで小銭を集めて

新しい電子レンジが買えればそれでよかった。



アメリカじゃ、女は金髪かぁ。

そんな趣味ないのにね・・とKENちゃんはぼやいた。








その頃からすっかりその気で勘違いしだしたU子さんからの電話が激しくなった。



U子さんは21歳で彼氏いない歴21年だった。

一回ダサいバンドマンと寝ただけの人生だった。