碧いラフレシアの花 その572 | 連載性春小説  碧いラフレシアの花

連載性春小説  碧いラフレシアの花

好きじゃない人と天国へ行くよりは


好きな人と地獄に行きたい


ある女の子の80年代


「娘の絵里奈と別れたら生きていけなーい。」

TAKAが茶化したように言った。


真帆がむっとした。


「社長の女なんか嫌だよ。そんなつまらない話でKENちゃんみたいに濡れ落ち葉になりたくないよ。」





真帆は相田美穂に一気に嫌悪感を抱いた。


「美穂は社長相手に枕芸でのし上がったらしいぜ。俺は関わりたくないよ。」


相田美穂がいつ頃から社長と出来ているのかは不明だった。


「処女だったのに独身だと嘘をついたKENちゃんに騙された」とマネージャーに泣きついて、後で社長も騙したのだろう。真帆はそう思った。

いや、もしかしたら・・・その頃から既に社長とKENちゃんは相田美穂の関係の中で重複していたのかもしれない・・・・。
真帆はぞっとした。







「すごく好きな子ですよ。処女なんかとんでもない。相田はKENちゃんが妻子持ちだと知っていました・・・」

しんちゃんの証言が頭の中に響いた。

「でもみんな若い子の言う事を信じますからね・・。」

しんちゃんの言葉がずっしりと残酷に思い返された。






そんな子の為に

KENちゃんは全てを失って

奥さんは自殺したの???




真帆が涙ぐみながら

「もう忘年会なんか行きたくない。」と言った。


「相田に俺が今度曲を渡すんだから大人になれよ。あいつが歌えば儲かって、印税が俺の所に来て家計が潤うんだぞ、真帆。」


「相田さんって私が昔KENちゃんと同棲していた事を知ってるの?」

「知らないんじゃないの?俺は一切そういうの話さないから。KENちゃんが喋ったかどうかは知らないよ。」

「もう、最低。こんなの嫌だよ。」

「仕事なんだから諦めろよ。大切なビジネスパートナーなんだから相田には親切にしてやれよ。早坂先生の漫画大好きって言ってたぜ。」


電車の中で真帆が「もう、こんなの嫌だよぉぉー。」と言って泣き出した。