碧いラフレシアの花 その569 | 連載性春小説  碧いラフレシアの花

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好きじゃない人と天国へ行くよりは


好きな人と地獄に行きたい


ある女の子の80年代

奥さんの父親は感情を押し殺した声で「プレゼントは困る。」と電話で言った。


「誰が渡したか言わなくていいから子供にあげてくれませんか。」とKENちゃんが頼んだ。



奥さんの父親の話では奥さんが自殺した後に、奥さんの母親が精神的に不安定になって寝込むことが多くなったので、KENちゃんの名前がある小包が来ると、奥さんの母親がかなり動揺するという事だった。


「サンタのおじさんから来たという事にして今回は孫に渡すけれど、家の中が大変な状態なので刺激しないでくれ。」

奥さんの父親が言った。

「すみません。」

KENちゃんが謝った。



「本当に大変なんだよ。君は大変な事をしてくれた。」

奥さんの父親が言った。



「一生かけて責任を取ります。一生子供には出来る限りの事をしたいと思っています。」

KENちゃんが涙ぐんで言った。

もうKENちゃんの人生で残っているのは本当に子供だけだった。



「あとで妻抜きで子供の事について話し合わないか?私も高齢で仕事をしていて、妻はもう子育ては無理な状態だ。二人とも先は長くないし・・、将来は孫は君の所に行くと思う。・・・色々思う事はあるけど、孫が施設に行くよりは・・君が面倒みたほうがいいと思うんだよ。娘はひとり娘で君の他に孫の事を頼める人は誰もいない・・・。」


KENちゃんはびっくりした。


「妻抜きで大人の話し合いを進めよう。また連絡するから。」

「申し訳ありません。」

「子供の事をまず考えよう。」


奥さんの父親はびっくりするくらい落ち着いている人だった。


「別に僕は君を許したわけじゃないよ。一生許せないと思う。・・でも、先の事を考えないといけない。そうだろう?」

「子供に会わせて貰えるんですか?」

「最終的には君が育てる事になると思うよ。いつかは分からないけど・・・。また連絡するよ。もし君から連絡したかったら、僕の職場に電話してくれ。」


それから奥さんの父親はKENちゃんに職場の電話番号を教えた。