碧いラフレシアの花 その549 真帆26歳の夏 | 連載性春小説  碧いラフレシアの花

連載性春小説  碧いラフレシアの花

好きじゃない人と天国へ行くよりは


好きな人と地獄に行きたい


ある女の子の80年代

真帆が臨月の頃TAKAが2代目ボーカルを家に連れて来た。


とても明るくて素直で、やたら自分の家族の話が多い男の子だった。


同じ年齢の頃のKENちゃんのような冷たく乾いたダークさは全くなかった。



本当に「可愛い」ボーカルだと真帆は思った。



2代目ボーカルで出したアルバムからのシングルは連発で好調だった。





2代目ボーカルの名前は真琴君といった。

真琴君は天然でお茶目だった。

バラエティでも笑いを取れるような愛くるしい性格とルックスの人だった。





シングルはガンガン売れて、著作権のクレジットがTAKAの個人名義になったので

TAKAは大喜びで自分の銀行残高をチェックしだした。




そういう理由でTAKAと真琴君は本当に上手くやれた。






1回真琴君がTVで歌っているのを観た後

真帆はもうこれ以上TAKAの選択に文句を言えなくなった。




真琴君の歌は素晴らしかった。





それからTAKAの仕事と音楽に真帆は一切意見するのをやめてしまった。





その頃からバンドは真琴君とバックバンドのおじさんのような図式になった。

TAKAは印税が個人でいっぱい入るから全く真琴君の影になることを気にしなかった。



「お前の時代だからね。よろしくね。ちゃんと売れる曲を書くからね。」とTAKAが真琴君に言った。

真琴君が「こちらこそよろしくお願いします。」と言って笑った。


TAKAは真琴君よりも一回りくらい年上だった。