KENちゃんのマンションのドアの前で真帆はもう一度考えた。
表札がKENちゃんの苗字なので、まだ引っ越してはいないと真帆には分かった。
昔KENちゃんの奥さんに呼び出されて怒られたマンションだった。
あれからこんな事になるとは夢にも思わなかった。
呼び鈴を押そうと思ったけれど
やめた。
こんな間が悪い日に自分がチョコを渡したら
自分が怒られそうな気がした。
KENちゃんをますます嫌な気分にする気がした。
そのまま真帆はカードを添えたチョコを郵便受けの中に入れた。
笑ってしまう事には
誰か数人が既にチョコを郵便受けの中に入れていた。
ファンの子かな?と真帆は思った。
そのまま真帆はマンションを後にした。
駅に着く前に
またアスファルトの上に吐いた。
家に着いてから
来るはずがないKENちゃんからの電話を待った。
当然電話は来なかった。