「あ・・っとKENちゃんは先月の大晦日付けで解雇。首なんだけど穏便に脱退ってことで発表しておくらしい。
音楽性の違いとか・・ありがちな理由で・・。」
真帆の顔が引きつった。
「首にする事を事前に言わなかったから、KENちゃん寝耳に水で呆然としてた。酔っ払っているせいなのか、退職金ないの?って事務所の社長に言って、社長を怒らせた。」
「だって解雇じゃね。退職じゃないもんね。」
お母さんが呆れたように言った。
「さらに脳みそ腐ってるのか、ちょっとくらいくれないと相田美穂の処女喪失について話すぞ・・とか言いやがった。」
「腐った男だね。」
お母さんが馬鹿にした。
「それで、社長が嫌々金出しながら、TAKAの書いた曲でしょぼいライブハウスで小銭集めて歌うなよ。権利の問題あるからなーって嫌味を言ったら、KENちゃんがぶち切れて・・。椅子を蹴った。」
「駄目だね。女房が自殺するわけだ。真帆は馬鹿だね。別れて正解。」
お母さんがあくびをしながら言った。
「KENちゃんはそんな人じゃない。お酒の問題があるからだと思うよ。」
真帆が涙ぐんだ。
「お酒やらなければいい人とか・・・駄目男にハマる女がみんなそんな様な事を言ってるよ、真帆。」
お母さんが言った。
「もう酒でぶくぶく太ってフロントマンとしてはキツかった・・・。」
TAKAがぼやいた。