お母さんが懸賞で当てたホテルのスイートルームは
丁度7年前に田中さんと来るはずの場所だったから
真帆は運命を感じた。
夜になってTAKAが真帆の服を脱がせながら
「あのおっさんも自腹でよくこんな部屋に払おうとしたもんだ。サラリーマンだったのにねぇ。」
と苦笑した。
「あの人とこの部屋に19歳の時クリスマスに泊まったら・・・多分全然違う人生を生きていたんだろうな。」
「微妙な選択で女の子の運命は決まるなぁ。KENちゃんの奥さんなんか何不自由ないお嬢さんだったのに、B級ロッカーの給料でキリキリ生きて首吊って死んだしな・・。」
「でもあの人と浮気しなかったら、TAKAには捨てられなかったから・・・KENちゃんは出てこなかったか・・・。もうこういうのよく分からない。自分で決めてるんだろうけど、決めてるわけでもないような気がする・・。運命かなぁ・・。自分がポン中にならなかったらKENちゃんと結婚していたと思う。でもそうはならなかった。」
「なんだかんだと真帆はツイてる子だよ。」
「そうかな・・?いつも不安だよ・・。」
「真帆がKENちゃんと付き合わなかったら、あのまま永遠にお別れバージョンだったね。」
「そうだね。田中さんはサラリーマンのままで、今頃はサラリーマンのお嫁さんかもね。」
「サラリーマンのお嫁さんになりたかったですかぁ?」
「別にそれでもいいよ。でもその場合は漫画は売れなかったと思う。作風がこじんまりしちゃうから。すぐにレディースコミックに格下げバージョンかな?」