「そもそも妊娠中にあんたが真帆と浮気しだした時からこの結婚はもう駄目になったのよ。真帆だけは許さない。
あんなクスリやって男とやるのが生きがいの世間を騙してる女に馬鹿にされたくないよ。」
「被害妄想だよ。真帆は関係ない。」
KENちゃんはここで本当の浮気相手の名前を言えなかった。
どうしても養育権で勝ちたかったので
浮気と暴力は認めたくなかった。
「真帆のODをこっそり治療した医者の叔父さんと全部喋るからね。」
「関係ない人に腹立ち紛れで当たるのはよせよ。」
「真帆をゆすってやろうか?」
「やめてくれ。」
「今子供を渡したら、あのODの事は黙っていてあげる。少女漫画誌に夫婦で結婚写真を載せてる可愛い夫婦がクスリでセックスするのが好きだってばれたら世間は喜ぶね。」
奥さんがKENちゃんを睨みつけながら言った。
「TAKAのイメージが悪くなって契約が切れたらあんたも無職で、他のバンドメンバーにも迷惑がかかるでしょ?
早く子供を渡しなさいよ。ツアーばかりしてるあんたがどうやって一歳の子の子育てなんかできるのよ?」
KENちゃんは悔しそうにベビーカーに座ってる赤ちゃんを差し出した。
奥さんがそのままベビーカーを引いて喫茶店を出て行った。