KENちゃんは何も言い返せなかった。
「沼田さんに子供の事を黙っていたのは自分に自信がなかったからよ。決してやましい理由じゃなかったわ。毎日つめたい夫にデブだの言われて無能扱い。他の女は抱いても自分とは寝てくれないし。もう私はボロボロだったのよ。沼田さんが親切にしてくれて・・どうしても言えなかった。子供の事を言ったら去っていくんじゃないかと思って不安だったからよ。」
「ああ、すぐに去っていったな。残念だな。」
「そうよ、すぐに去っていったわよ。あなたみたいな冷たい男にハマるみたいね、私。」
奥さんはそう言いながら涙をポロポロこぼしはじめた。
「あんたはまたこれからも変に女にはマメそうだから、何とか生きていくんでしょ?でも今の私にはこの子ぐらいしかいないんだよ。」
「離婚する際には養育権訴訟をするから。」
KENちゃんがしれっと言った。
「あんたの暴力はどうなの?あんたと暮らしてると気が変になる。あんたの再婚相手だって不幸になるから、この子なんか可愛がらないよ。」