KENちゃんが奥さんを冷たい目で見た。
「ちょっとぐらいは慰謝料をやってもいいんだぞ。子供はもう駄目だけどね。浮気したのはお前だからお前が俺に慰謝料払うか?」
KENちゃんがへらへら笑いながら奥さんに言った。
沼田先生が「僕、慰謝料なんか払えません。学校を首になったら無職だからまず無理です。」としどろもどろにKENちゃんに言った。
「お前からは金なんかとらないよ。仕事も続けろよ。」
KENちゃんが面倒くさそうに沼田先生に言った。
「僕、午後の授業がありますので。失礼します。」
沼田先生はそう言いながら3人分の伝票を掴んだ。
「僕に全部払わせてください。」
そのまま逃げるように会計を済ませて沼田先生は喫茶店から逃げ出した。
沼田先生が会計を済ませてる時にKENちゃんが沼田先生の背中に向かって
「先生子供にお小遣いありがとうね!」と馬鹿にしたように言った。
沼田先生が最後に振り返ったとき
女顔で小柄なKENちゃんが冷たく自分に笑いかけているのが見えた。
おそろしい男のガキだという印象を先生はKENちゃんに持った。
喫茶店に奥さんとKENちゃんと子供の3人だけが残された。