特にTAKAは浮気もしなかった。
もう30歳になったせいか、昔と違ってのんびりしていた。
真帆とTAKAが付き合いだしたのは7年前だった。
TAKAは何もないところから来て
あの頃は焦りと不安感があったけれど
ある意味真帆母娘に迎え入れられて
将来の不安は完全に消えた。
昔KENちゃんが「TAKAは音楽をやめたら餓死するね。」とからかったけれど
真帆と一緒なら
どうやっても餓死はありえなかった。
久しぶりにローディのしんちゃんとTAKAが一緒に飲んだ時
「TAKAさんは昔と全然違いますね。」としんちゃんが言った。
「どういう風に違うの?」とTAKAが聞いたら
しんちゃんが「昔は不機嫌で貧乏臭くて、金にだらしなくて・・・・髪がいつも葉っぱ臭くて・・。女に刺されそうで・・・。」と笑いながら言った。
「多少は良くならないと・・。」とTAKAが苦笑しながら言った。
「昔住んでた家とか凄かったですよね。なんか波々の青いペンキがべたっと塗られたトタン張りの、労働者のオヤジと同居で玄関一緒のすごい家・・。同居のおっさん連中に嫌われていましたよね。女の子の声がうるさいってオヤジに壁を蹴られたり・・。っていうか、よくあんな家まで女の子がついて行きましたよね・・?」
「あー、真帆はついて来たな。別にうるさくなんかなかったよ。ボロイから壁が薄いんだ。」
「まぁ、色々ですよね。それで電話が共通で家に一個しかなくて、オヤジが意地悪してTAKAさんに繋がなくしたから、連絡取れなくてバンドメンバーみんな困ったんですよね。」
しんちゃんが笑いながら言った。