碧いラフレシアの花 その463 | 連載性春小説  碧いラフレシアの花

連載性春小説  碧いラフレシアの花

好きじゃない人と天国へ行くよりは


好きな人と地獄に行きたい


ある女の子の80年代



焼肉が終わった後みんなでカラオケをした。


橘君は真帆の歌がやたら上手いことに驚いた。


きっと何がしの才能はある人なのだろうと思った。



「橘君は彼女とか欲しくないの?」

酔っ払ってる真帆が聞いた。

「付き合ってくれる人がいたら欲しいですよ。」

「その年までチェリーをキープしたのはどうして?」


おばさんの編集者が引きつりながら聞いていた。


「僕とやりたい女の子がいないからです。」

橘君がむっとして答えた。


「男子校だった?」

「幼稚園から大学まで全部共学ですよ。それでも女の子にはモテません。」

「髪型とか服装が垢抜けないからじゃないの?」

「そんな先生の漫画に出てくる男みたいな格好、僕にはありえないです。まず似合わない。」

「前髪つけたら?」

「前髪うんぬんの問題じゃないです。根本の問題です。」


明らかにクスリでおかしくなっている真帆が笑いながら

「水上げしてあげようか?」と言った。


その場から編集のおばさんがさっと去っていった。


また聞きしていた他の若い漫画家の先生が「まりあさん、そんなことしたら結婚がドタキャンになるよ。」と言った。



橘君はだんだん真帆に腹が立ってきた。


「ねえ、少女漫画なんか好きなの?」

真帆が橘君に聞いた。

「嫌いです。読みません。」

「じゃ、何でこんなところで働いてるの?」

「早稲田の一文を出た後にここしか就職できませんでした。僕は小説の編集部で働いて小説家になるのが夢です。」

「あんたは予備校の教師とかのほうが向いてない?」



橘君は真帆を張り倒したくなってきた。



「チェリーの小説なんかへヴィじゃん。」


真帆の失言は止まらなかった。