それから席に戻った橘君がかいがいしく真帆の為に肉を焼きだした。
先生の望む事は何でもしろ・・・・
子守だ・・・・・
編集長の指示が頭にこだました。
橘君がちらっと真帆を見た。
確かに可愛い先生だと思った。
でもそんなに自分と年が違わないのに
あの少女漫画みたいなべース弾きとおそらくその類似系であろうバンドメンバーの
手垢が既にべったりとついてるし・・・
しかもかなりジャンキーな先生で
ベース弾きの為にあのでっかいダイヤモンド以上の額を体を売って貢いだと言う。
どうしたらそんなに感覚悪くなるんだよ。教えてくれよ・・・・。
橘君は真帆に嫌悪感があった。
真帆がビールをもう一杯飲みだしたとき
「帰りの車の中で気分が悪くなりますよ。」
と橘君が冷たい口調で言った。
「御結婚なさるんだから。体に気を配って。お母さんになるかもしれないんだから。」
「あたしは妊娠してないよ。」
真帆がむっとして答えた。
編集長が橘君をきっと睨みつけた。
橘君が萎縮した。
失敗したと橘君は思った。
こんな女の機嫌を取るのは苦痛だと思った。