橘君は真帆の震える手に驚いたが、見て見ぬ振りをした。
「先生、今度編集部のパーティがあります。」
「私、漫画家の付き合いって嫌いなんだよ。」
「そうは言わずに出てください。」
「最近体調悪いし・・。」
橘君から見て早坂先生は青白く、痩せているように思えた。
何か精神的に駄目なのかな・・先生は。
また失踪されたら
どうしよう・・・。
橘君が焦った。
「くだけたパーティですよ。焼肉とカラオケで・・・服とかもラフでいいです。前回みたいなファーマルなのじゃないですから。」
「そう・・。じゃ、行くか・・。」
「そうですよ。先生が行かなくてどうするんですか?先生が漫画やめたら社員の何割かが肩たたきでリストラに合うんですよ!先生の経済効果は大きいです。」
「でも面倒くさい。」
「ほら、新春にアニメ映画も上映されるでしょ?顔出してくれないと、僕が叩かれます。お願いします。」
「分かったよ。行くよ。」
「マンションまで僕が迎えに来ますから。」
「ひとりで行くよ。」
橘君は気まぐれな真帆のドタキャンを恐れていた。
「僕が車出しますから!一緒に行きましょう。」
「分かった・・。」
「今週の土曜日の5時に迎えに来ますから!」