奥さんは自分の貴重品や子供の服等をボストンバックに詰めだした。
「話し合いをしに来たのよ。でももう話す価値もないっ!」
KENちゃんはここで奥さんを引き止めるべきかどうか迷った。
KENちゃんの赤ちゃんがまだにこにこしてKENちゃんを見ていた。
急にこれが子供との今生の別れになるのかと思うと虚しくなった。
「今日の女の子なんか電話番号も知らないよ。こんな事で離婚するのは馬鹿げてるよ。あんな子どうでもいいんだ。お前のほうがずっと好きだよ。やり直そうよ。ごめんね・・。」
KENちゃんはここで演技した。
心の奥底で
女の替えやスペアはすぐに手に入るが子供の代わりはないんだと悟った。
奥さんが涙ぐんでKENちゃんを見ていた。
どこかで世の中は妥協しないといけないんだとKENちゃんは思った。
その夜奥さんは実家に帰らなかった。
子供がベビーベットの中ですやすや眠っていた。
奥さんがエアロビ中に哺乳瓶でミルクをやったり、公園にタバコを吸いながら赤ちゃんと一緒に出かけた思い出とか・・・・
そんなことを急に思い出した。
1年半ぶりくらいに
埋め合わせとしてKENちゃんは奥さんを抱いた。
さっきの女の子の事を考えながらしたら
ちゃんと奥さんとできた。
ラマーズ法の出産ホームビデオの事はその夜は思い出さなかった。