「そのシュークリームね、旦那が買って来たのよ。」
奥さんが鼻でふふんと笑うように言った。
そう言えば昔KENちゃんが仕事の帰りにシュークリームを買って来たくれたりして、マメだったのを思い出した。
あれは真帆がまだ10代でKENちゃんと同棲を始めたばかりの頃だった。
別れてこんな風になるとはあの時は夢にも思わなかった。
「あ・・、美味しいです。」
「ちょっと聞きにくいこと聞いていい?」
奥さんが怒った調子で言った。
「あんた私の夫の何なの?」
真帆が小さい声で
「お友達です。」
と答えた。
「どういう友達よ?」
奥さんがヒステリックに聞いてきた。
「私の婚約者のバンドメンバーです。」
真帆は言いながら泣きそうになった。