碧いラフレシアの花 その214 | 連載性春小説  碧いラフレシアの花

連載性春小説  碧いラフレシアの花

好きじゃない人と天国へ行くよりは


好きな人と地獄に行きたい


ある女の子の80年代


その後、夜に冷たい脂汗をかいたりして、震えがとまらなくなった。


もう12月になった。


KENちゃんの実家に電話したかったが、恥ずかしくて出来なかった。


そりゃ、こんな嫁はいらないだろう。


見限られて当然だ。



4,5日経ってやっと落ち着いて来た。

大家さんに電話をして今月いっぱいで引っ越す事を告げた。


原稿料が入って来た。


引越し代くらいなら余裕だった。


実家に電話してお母さんにKENちゃんと別れた事、しばらく実家にいたい事・・・・

それから都内のマンションにお母さんと引越したい事・・・

お母さんを養いたい事を話した。


お母さんは大喜びで・・・

電話で涙ぐんだ。


「やっと目が覚めて・・、あのヒモみたいな歌手と別れてくれたんだね・・・。」

お母さんはそう言いながら本当に喜んでくれて・・・

「真帆・・ありがとう・・。いい娘を持ったよ・・・。ありがとう。」と言い・・・

「お前を産んでよかったよ。」・・とおいおい泣き出した。


お母さんが精神的におかしい売れない画家のお父さんの子供を妊娠して・・・

中絶する勇気がなくて

結婚して真帆を産んだ話を思い出した。


部屋が寒いので電気ストーブの火力を強くした。

黒い受話器の向こうから

お母さんがすすり泣く声がした。

静かな部屋に

お母さんの泣く声が

響いた。