重い荷物を持ちながら、TAKAが現れた。
さゆりさんが泣き出した。
「やり直しましょう。やり直しましょう。」
さゆりさんがTAKAの腕を取った。
TAKAがうんざりした調子で言った。
「もう、分からないよ・・・。」
田畑さんが引きつった顔をして飛んできた。
「こ・・これは・・・妊娠・・ですか?」
「はい。」さゆりさんが田畑さんに訴えるように言った。
「あー、まさか結婚するとか・・じゃ・・。」田畑さんが勘弁してくれ・・という感じで言った。
「お・・おい・・俺は聞いてないぞ・・。」田畑さんが怒った。
「俺だって聞いてねえよ!こいつが勝手に全部話しを進めるんだ!」
気が短いTAKAが怒った。
「妻子持ちに財布開くファンの女の子なんかいないぞ!寝言は寝て言え!」
田畑さんがパニックになった。
「事務所に相談しよう・・。俺の管理不行き届きが責められる・・。」
田畑さんが呻いた。
「オマエは結婚したいのか?親父になりたいのか?俺にはオマエには無理だと分かっている・・。」
田畑さんがツアー中のTAKAの遊びっぷりを回想して言った。
「俺・・・子供とか動物とか・・、昔から嫌い・・・。」
TAKAがぼやいた。
さゆりさんがびっくりするほど大きくなった体を震わせて泣いた。
田畑さんがTAKAを引っ張ってバスの後ろに連れ出した。
2人だけで話し合いが始まった。
「今が丁度キャリアとしては離陸している時だから、この時期にこんな話しがあるとあっさり墜落する・・・。もう、逃げろ。あの人はオマエなんかよりも金があるんだから・・。逃げていいんだぞ。認知も結婚も・・絶対ナシにしてくれ・・・・。頼む!」
「逃げるよ。宇宙の彼方に逃げるよ・・・。」
田畑さんが安心した顔をしてTAKAの肩を叩いた。