碧いラフレシアの花 その176 | 連載性春小説  碧いラフレシアの花

連載性春小説  碧いラフレシアの花

好きじゃない人と天国へ行くよりは


好きな人と地獄に行きたい


ある女の子の80年代

重い荷物を持ちながら、TAKAが現れた。

さゆりさんが泣き出した。

「やり直しましょう。やり直しましょう。」


さゆりさんがTAKAの腕を取った。

TAKAがうんざりした調子で言った。

「もう、分からないよ・・・。」


田畑さんが引きつった顔をして飛んできた。

「こ・・これは・・・妊娠・・ですか?」

「はい。」さゆりさんが田畑さんに訴えるように言った。

「あー、まさか結婚するとか・・じゃ・・。」田畑さんが勘弁してくれ・・という感じで言った。


「お・・おい・・俺は聞いてないぞ・・。」田畑さんが怒った。

「俺だって聞いてねえよ!こいつが勝手に全部話しを進めるんだ!」

気が短いTAKAが怒った。

「妻子持ちに財布開くファンの女の子なんかいないぞ!寝言は寝て言え!」

田畑さんがパニックになった。

「事務所に相談しよう・・。俺の管理不行き届きが責められる・・。」

田畑さんが呻いた。


「オマエは結婚したいのか?親父になりたいのか?俺にはオマエには無理だと分かっている・・。」

田畑さんがツアー中のTAKAの遊びっぷりを回想して言った。


「俺・・・子供とか動物とか・・、昔から嫌い・・・。」

TAKAがぼやいた。


さゆりさんがびっくりするほど大きくなった体を震わせて泣いた。



田畑さんがTAKAを引っ張ってバスの後ろに連れ出した。

2人だけで話し合いが始まった。


「今が丁度キャリアとしては離陸している時だから、この時期にこんな話しがあるとあっさり墜落する・・・。もう、逃げろ。あの人はオマエなんかよりも金があるんだから・・。逃げていいんだぞ。認知も結婚も・・絶対ナシにしてくれ・・・・。頼む!」


「逃げるよ。宇宙の彼方に逃げるよ・・・。」


田畑さんが安心した顔をしてTAKAの肩を叩いた。