「ねえ、結婚するの・・?」KENちゃんがツアーバスの中でTAKAに聞いた。
「知らない・・。」TAKAが答えた。
「あー、でも認知とかするんでしょ?」
「一応・・。多分・・。」
KENちゃんはそれ以上聞かなかった。
さゆりさんが存在しないかのようにTAKAはツアー中に相変わらずグルーピーを連れ込んで浮気しまくっていた。
「さゆりさん、妊娠している事をずっと隠しているんだもん・・。気がつかなかったっていうけど・・・うそ臭い。」
TAKAがホテルの部屋でビールを飲みながら言った。
「堕ろせないの?」KENちゃんが聞いた。
「そんな大きな子堕ろしたくないって、どこの病院でも言われる時期らしい。いい加減な医者ならやるかもしれないけど・・。さゆりさんが絶対堕ろしたくない・・って言うんだ。」
「結婚したい・・・?」
「したい訳ないだろっ・・。」
「でもさゆりさんとは別れるつもりはないんだよね・・?」
「さゆりさんが結婚しなくても、認知しなくてもいいから・・縁だけは切らないで・・って大泣きした。」
「うーん。キツイなぁ・・。」KENちゃんもビールを飲みながらぼやいた。
「さゆりさんのほうが有名スタイリストだから、俺よりも給料高いから、結婚しなくても別に困らないんだろうね・・。でも何か・・子供って・・。俺嫌だよ。絶対嫌だ。」
TAKAがふてくされたように言った。
「別に一緒に暮らすつもりもないし・・子供の名前なんか向こうが勝手に決めろ・・って感じ。子供の写真とかも、いらねー。」
TAKAは疲れ果てていた。
「あーっ!どうして俺ばっかいつもこうなんだっ!」
TAKAがそう言いながらホテルのゴミ箱を蹴飛ばした。