碧いラフレシアの花 その167 | 連載性春小説  碧いラフレシアの花

連載性春小説  碧いラフレシアの花

好きじゃない人と天国へ行くよりは


好きな人と地獄に行きたい


ある女の子の80年代



「ねえ、結婚するの・・?」KENちゃんがツアーバスの中でTAKAに聞いた。

「知らない・・。」TAKAが答えた。

「あー、でも認知とかするんでしょ?」

「一応・・。多分・・。」


KENちゃんはそれ以上聞かなかった。


さゆりさんが存在しないかのようにTAKAはツアー中に相変わらずグルーピーを連れ込んで浮気しまくっていた。





「さゆりさん、妊娠している事をずっと隠しているんだもん・・。気がつかなかったっていうけど・・・うそ臭い。」

TAKAがホテルの部屋でビールを飲みながら言った。

「堕ろせないの?」KENちゃんが聞いた。

「そんな大きな子堕ろしたくないって、どこの病院でも言われる時期らしい。いい加減な医者ならやるかもしれないけど・・。さゆりさんが絶対堕ろしたくない・・って言うんだ。」

「結婚したい・・・?」

「したい訳ないだろっ・・。」

「でもさゆりさんとは別れるつもりはないんだよね・・?」

「さゆりさんが結婚しなくても、認知しなくてもいいから・・縁だけは切らないで・・って大泣きした。」

「うーん。キツイなぁ・・。」KENちゃんもビールを飲みながらぼやいた。

「さゆりさんのほうが有名スタイリストだから、俺よりも給料高いから、結婚しなくても別に困らないんだろうね・・。でも何か・・子供って・・。俺嫌だよ。絶対嫌だ。」

TAKAがふてくされたように言った。

「別に一緒に暮らすつもりもないし・・子供の名前なんか向こうが勝手に決めろ・・って感じ。子供の写真とかも、いらねー。」

TAKAは疲れ果てていた。

「あーっ!どうして俺ばっかいつもこうなんだっ!」

TAKAがそう言いながらホテルのゴミ箱を蹴飛ばした。