碧いラフレシアの花 その63 | 連載性春小説  碧いラフレシアの花

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好きじゃない人と天国へ行くよりは


好きな人と地獄に行きたい


ある女の子の80年代

真帆が「ごめんなさい・・。ごめんなさい・・。」と泣き出した。


そのまま二人でバンの中に入って、運転席のしんちゃんのすぐ後ろに座った。

しんちゃんは週間の少年漫画の雑誌を読んでいた。


「もう、連絡したくなかった。でも金借りてたし・・。それに、誰かさんが一生のお願いとか言うからギグに招待してやった。」

「許して・・。」真帆が顔を伏せて泣き続けた。

「あーあ、ギグの後にあのオヤジのお古を抱くのかぁー。」


しんちゃんがぎょっとして車から逃げるように出て行った。


それからサイドギターのNAO君とドラマーの紫音君がバンの中に入って来た。

2人は後ろのほうに座ってTAKAに挨拶はしなかった。


「あのおっさん何なの?出所はどこーっ?」TAKAが馬鹿にしたように言った。

「会社の上司だよ。」

真帆は嘘をついた。

「上司だから断れなくて・・。」

真帆がまた嘘をついた。

「そこまで会社一緒だからってやるのかよー?あいつ結婚してるの?いったい幾つ??」

「あの人はバツイチで・・子供はいないよ・・。30歳だよ。」

「社内不倫じゃなくてよかったなー。真帆、少しは条件がマシになったな。」TAKAが本当に真帆を汚いものを見るような目で見た。

「あいつ、30なの???40くらいかと思ったー。はー、老けて見えるなー。」

真帆がおいおい泣き出した。

「上司となんか浮気してんじゃねーよ。」



後ろからNAO君が「自分の事棚に上げて、女の浮気を責めてますねー。」と野次を飛ばした。

「こんなお兄さんだと上司に走っちゃうよねー。」と紫音君が笑いながら言った。


「うるせー、殺すぞ。」

TAKAが小声でぼやいた。