仕事が終わった後スーツのまま真帆は赤い地下鉄に乗ってTAKAに会いに行った。
その日は休み時間にトイレでつわりで吐いた。
現実がひしひしと迫っていたけれどTAKAには変わらない愛を誓っていた。
どうしてこんなに好きになれるのか良く分からなかった。
TAKAの部屋のドアをノックして開けたら相変わらず美しいTAKAがタバコを吸っていた。
なんだか時々綺麗すぎてどっちが女の子だかよく分からない感じに見えた。
TAKAは機嫌が悪そうだった。
昨日の電話と打って変わって機嫌が悪かった。
いつもの気分屋のTAKAだった。
メジャーデビューの話になった。
メンバーの仲が悪いので最初っから曲のクレジットをバンド名義にして、収入は等分という事になったそうだ。
TAKAは曲が書けるから、これは不満だった。
ゴミだらけの汚い部屋の隅にTAKAが曲を書いた譜面が散らかっていた。
何にも出来なくてわがままだけれど、こういう曲を書けたり・・・実はアーティなんだよ・・と真帆は分かっていた。
絶対にTAKAを手放したくなかった。
TAKAが真帆に家賃がないから金を3万貸して欲しいと言った。
「メジャーデビューしたら月給貰えるから、その時絶対返すから・・・。ごめん・・・。」
真帆が財布を開いて3万渡した。
「返してくれなくてもいいから。」
「いや、返すよ。絶対返す。」
TAKAが慌てたように言った。