香港の英字新聞「SCMP(South China Morning Post/サウス・チャイナ・モーニング・ポスト/南华早报/南華早報)」は2020年09月10日に、中国は、敵対行為が急増しているため、米国の薬へのアクセス削減を議論していると報告した。
中国政府顧問の中には、ワシントンが制裁を強化するなら、中国は米国への薬品輸出を削減すべきだと言う者もいる。
他の人たちは、それは不道徳であり、米国の製薬会社の中国からの移転を加速させる可能性があると主張していると伝えている。
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ここ数週間、米国が中国のハイテク企業への攻撃を強化し、金融面での提携で脅威が高まる中、北京の政府顧問は、いわゆる核のオプション、すなわち米国の医薬品へのアクセスをカットするという議論を始めたという。
このアイデアは最近、中国の著名な学識者で政府顧問の李肇星(Li Daokui)らによって浮上しているが、彼は地元メディアに対し、医薬品へのアクセスを制限することは、米国の技術やソフトウェアに対する米国の輸出規制に対する正当な報復である可能性があると語った。
しかし、それは中国が米国に報復するのを助けることに失敗するだろう。また、中国のハイテク企業をさらにブロックするための努力を激化させるだけだろう。
李は、SCMPへのステートメントで、米中は相互依存関係にあり、両国を切り離すことは不可能だと指摘した。
しかし、李は2019年には貿易戦争の報復手段として、中国が米国への抗生物質の輸出を抑制する可能性も示唆している。
他の専門家は、この案は不道徳なだけでなく、裏目に出る可能性もあると示唆している。
米国国際貿易委員会(US International Trade Commission)のデータによると、2019年、米国に輸入された抗生物質の約40%が中国からのもので、その中にはクロラムフェニコール(chloramphenicol)の90%、テトラサイクリン(tetracyclines)の93%、ペニシリン(penicillin)の52%が含まれていた。
一部の基礎医薬品の供給を中国に依存していることは、米国にとっては脆弱であり、北京にとっては有利である.と復旦大学の国際関係学教授(professor of international relations at Fudan University)であり、国粋主義(nationalist)的な見解で知られるチャン・ウェイウェイ(Zhang Weiwei)は述べている。
彼は今年初めの演説で、中国の抗生物質への過度の依存を考えると、「米国のすべての病院は中国の供給がなければ閉鎖しなければならないだろう。」と述べた。
しかし、今では、その分野でインドが大きく躍進している。
あまりにも短絡的で、幼稚すぎるようにも感じる。
米国は長い間、医薬品の中国への過度の依存を認識しており、2019年、米中経済安全保障検討委員会(US-China Economic and Security Review Commission)はそれを「安全保障上のリスク」として警告した。
問題が浮き彫りになったのは、2020年02月にコロナウイルスのパンデミックで中国の工場が閉鎖されたことであった。米メディアは、アメリカ人が地元の薬局でジェネリック医薬品を探すのに苦労していると報じた。
FDAによると、現在も全国で118種類の薬が不足しているという。
2020年07月には、マルコ・ルビオ(Marco Rubio)上院議員とエリザベス・ウォーレン(Elizabeth Warren)上院議員が超党派の法案「米国医薬品サプライチェーン見直し法(US Pharmaceutical Supply Chain Review Act)」を提出し、海外の医薬品供給への米国の依存度を調査することを命じた。
ミネソタ大学のサプライチェーン・オペレーション部門の准教授であるラチナ・シャー(Rachna Shah, an associate professor in the supply chain and operations department at the University of Minnesota)によると、米国企業が原薬の製造を外部に委託しているのは、主に2つの理由があるという。
ラーチャナ・シャーは、「もし中国が強硬手段に出るか、核オプションを使うと判断したら、米国が(政府は)政治的には製造を復活させるように切り替えることができるのではないでしょうか。」と言っている。