ヨーロッパ経済ニュースEUROPE NNAは2020年06月29日に、ドイツのルフトハンザ航空(Deutsche Lufthansa AG)は2020年06月25日に、臨時株主総会で、ドイツ政府と合意した最大€90億の支援策が承認を得たと発表したと報告した。
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マインツで生まれたルフトハンザ筆頭株主のハインツヘルマン・ティーレ(Heinz Hermann Thiele, Germany's largest shareholder in Lufthansa)が当初はこの案に難色を示していたため、一時は実現が危ぶまれたが、これにより破綻を免れることになる。
支援策は98%の支持を得て可決された。ドイツ政府はルフトハンザ航空株20%を引き受けるとともに、取締役会で2席を取得する。同案に対するティーレの支持取り付けに動いていたオラフ・ショルツ財務相(Bundesfinanzminister Olaf Scholz)は「ルフトハンザとその従業員、ドイツにとって素晴らしいニュース」と喜んだ。
だが、ルフトハンザ航空を取り巻く状況はなお厳しい。
ルフトハンザ航空はこれまでにも、人員削減をする代わりに、勤務時間や賃金を減らして対応してきたが、事業再編計画により、最大2万2,000人の従業員が影響を受けるとみられる。
EC(European Commission/欧州委員会)もこの日、ドイツ政府によるルフトハンザへの資本注入を承認しているが、その条件として、支援の返済が終わるまでは配当の支払いや自社株買い戻し、買収などを禁止した。
また、フランクフルトとミュンヘンの空港の発着枠を競合他社に譲り渡すことを義務付けている。
これで、ほぼ独占であったドイツ国内航空市場は、値下がりすることになり、国民にとっては良いことである。
ルフトハンザは2020年06月29日に、ルフトハンザ・グループの航空機は、50%が空路に復帰したと報告した。
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