昨夜は、法話研鑽会主催の「出張法話会『馬場de説法ナイト』」に行ってきました。
高田馬場と言えば、わが青春の土地。混沌とした盛り場の雰囲気に懐かしさを感じ、しばし青春プレイバック。といってもバンカラ過ぎる思い出ばかりで、まったく色っぽい話はありません。とはいえ、現場に向かいました。
会場は、居酒屋さんを貸し切り。戸をあけると、私よりかなり年代が下のみなさんが座っており、「場違いなところに来てしまったのでは!?」と一瞬ひるみましたが、開演までに同年代の方々もけっこういらっしゃったので少しほっとしました。お客さんは、全部で15~16人。
参加されているお坊さんは、真言宗豊山派の方が3名、臨済宗の方が1名。
第一部の「声明と御詠歌」は、真言宗のお坊さん三人によるもの。
①奠供(てんぐ) ②散華(さんげ) ③錫杖経(しゃくじょうきょう) ④ご詠歌「常住(じょうじゅう)」の順で聞きました。
特に②の散華は、蓮の花を模した厚紙をお坊さんがお経を読みながら客席に向かってまき、まるで花びらが散るようで美しかったです。
④で歌われた御詠歌は檀家が唱えるもので、歌に合わせてチーンと鳴らす金剛鈴は、鳴らすことで仏様の供養になるそうです。
第二部は、大喜利説法「お題拝借」は、お客さんから寄せられた質問にお坊さんが仏教の教えとウィットをとりまぜて答えるというもの。中でもおもしろいなと思ったのは、「イギリスのEU離脱」についての答え。真言宗のお坊さんのお一人は、胎蔵曼荼羅を例に出し、他者との境界を作らないことが調和につながるのだから、EUを離脱して境界を作ることで、今後、様々な問題が出てくると思うとの意見。臨済宗のお坊さんは、臓器移植で他者の臓器を移植する時に薬で免疫を抑制しなければいけないことを例に出し、他人の臓器を体が拒否するのと同じように、人間は他者との境界を本能的に必要とする…といったことを言っていました。ちょっとうろ覚えなので、ニュアンスの違いはあるかも知れませんが。
第三部は、食事&歓談。お坊さんが各テーブルに分散して座り、参加者とフリートーク。お坊さんにいろいろ質問している人もいれば、楽しく飲んでいる人もいて、それぞれ盛り上がっていました。楽しくお話ししていく中で、このような出張法話会をするにあたっての想いをお坊さんから聞くことができたのですが、明治の廃仏毀釈から第二次世界大戦後まで、お寺にとって冬の時代が続いてきたのだけど、自分たちの代でやっと安定してきたので、その分、自分たちにできることを社会にどんどん還元していきたいとおっしゃっていて、じーんとしました。
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