柏ディベートラウンジ(KDL)のブログ

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柏市を主な活動拠点にした地域ディベート団体の活動を記録するブログです。(活動拠点:千葉県柏市、我孫子市、松戸市etc)

2014年&2015年の主な活動:審判派遣(CoDA新人大会、ディベート甲子園)、ブログを通じたオープンなディベート普及活動

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先日の三連休の際に、とある学校の文化祭で行われたディベート大会のジャッジをしてきました。

学校一丸となって、ディベートに取り組んでいる熱意、モチベーションに触れることができて、とても有意義な時間を過ごさせていただきました。

私自身、とても貴重な経験でしたので、その際に、保護者の方々から頂いたコメントと私の回答を整理しておきたいと思います。

(当日頂いたコメントをまとめる都合上、全く同じ形で載せていない点は、ご容赦ください)

コメント①
「聞き取れないくらい速いスピードで原稿を読み上げていたが、これは一般的なのか。会社のプレゼンテーション研修と違っていて驚いた。」

これは初めてディベートを生で観戦したご父兄からのコメントです。事前にディベート甲子園の決勝動画をご覧になった上での当日のご観戦でした。

アカデミックディベートは、ルールに基づいて議論展開している点で、スポーツ競技として考えた方が理解いただけると思う旨、また、論理的思考を鍛える思考のトレーニングに価値がある旨、証拠資料の扱い等を通じて、情報リテラシーを身に付けることができる旨などをお伝えしました。


コメント②
「選手をしてる子どもがバテているみたい。何試合もスピーチするのって、疲れるんでしょうね~」


コメント③
「先ほどの試合は、ジャッジとして勝ちと判定した側ではない方の勝ちではなかったのでしょうか?勝ちと判定した側は、声が小さかったようですが、それは判定に関係するのでしょうか?」

このコメントについては、スピーチの声の大きさなどは、コミュニケーション点としてカウントされますが、判定には影響しないことをお伝えしました。

加えて、そもそもジャッジに聞こえていない場合には、フローシートに残らず、判定の判断材料として使えないため、判定に考慮しないこととなる旨をお伝えしました。

当日は文化祭でざわざわしていましたし、ジャッジ席の後ろの観覧席まで伝わらないような肥えの大きさの生徒もいましたが、みんな頑張ってスピーチしてるのが印象的でした。

多感な中学の時期に、人前で声を張るのは、人によってはハードルが高いことなんだろうなあと思います。

普段のジャッジで御父兄とお話する機会は、ほとんどありませんので、とても貴重な機会でした。

ディベート甲子園、大きな事故がなく閉幕したようで何よりです。今年の酷暑は災害レベルですから、無事に終わって、一ジャッジではありますが、ホッとしております。

ディベート甲子園も、今年で23回目。
結果として予選において、関東甲信越地区が恐ろしい勝率を残しました(21勝3敗、出場8チーム中7チームが決勝トーナメント(ベスト16)に進出)。
そんな激戦区を制した開智高が全国を制する結果となりました。
昨年の慶應高に続いての初優勝。誠におめでとうございます!

○予選ブロック
 対札幌光星高3-0○
 対灘高1-2●
 対金城学院高3-0○
 →3組2位通過
○決勝トーナメント~準決勝
 対筑波大附属駒場高2-1○
 対渋谷教育学園幕張高4-1○
 対岡山白陵高3-2○
○決勝
 対創価高4-1○

決勝トーナメントで、関東の学校とのバトルが続いているあたりが、今回の大会を象徴しているようですね。なんかスーパーファミコンのRPG みたいな展開です笑。

特に準々決勝以降の優勝経験校3校を撃破しての初優勝ということで、ほんとディベート甲子園の優勝は毎年ストーリー性があって、すばらしいと思います。

なお、昨年の王者、慶應高は連覇を目指して、予選で岡山操山高、昭和薬科大附属高、福島高専を破って、6組1位で決勝トーナメントに進出しましたが、慶進高は破ったものの、準々決勝で岡山白陵に敗れました。

中高の競技ディベートの高度化が進んでいる昨今、連覇の壁はより高くなっているように感じます。来年の開智高はどうなるのか、楽しみに待ちたいと思います。
いよいよ今週末からディベート甲子園の開幕です。

今年も中高生の熱い議論をジャッジできるかと思うと、今から非常に楽しみです。

今回は、一般観戦者(選手のご家族、ディベートに関心のある中高生、学生、社会人など)の方々向けに観戦の楽しみ方をつらつら書いてみたいと思います。

※10倍~は誇張表現で書きすぎだなあと思っていますが、せっかくのキャッチーなフレーズなので使ってみました。(今時の方には元ネタがわからないかもしれません…)生暖かくスルーしていただければ幸いです。

①試合を楽しむ
 初見の方もそれなりにいらっしゃると思います。ディベートの試合は中学が60分程度、高校が70分程度ですので、その間ずっと集中して観戦するのは難しいと思います。では、試合のどこをみれば楽しめるか?
 それはズバリ反駁パートだと、私は考えています。立論パートは、全国出場校レベルだと、どこも練習してきているので、聞き取るだけでも大変だと思います。質疑パートは、その後の反駁へのつなぎや選手のレベルが見えてきて面白いのですが、通好みというか、観戦ビギナー向きとは言えないと思います。
 そこで、反駁パートです。
 第一反駁は肯定否定とも、一気に勝負が決まる可能性がある重要なパートです。主要な議論に加えて、相手が第二反駁で伸ばしてこないよう議論を取捨選択して反駁することが求められます。アカデミックディベートのスタイルがよくわかるパートではないかと思います。
 第二反駁は、議論を整理して自分たちに有利に議論を手繰り寄せることが求められるパートです。まとめが求められる性質上、弁舌のたつ政治家のような雄弁なスピーチをする選手が見られます。私は第二反駁好きなので、全国で第二反駁がうまい選手を見つけると、ゾクゾクしてきてしまいます笑
 反駁パートは、選手のスピーチの個性が出やすいパートだと私は考えています。お気に入りの選手を見つけて観戦ツアー並みに見学するのも一興だと思います。

②選手の姿を楽しむ
 楽しむというと、不謹慎な語感がありますが、ご覧いただきたいのは、ズバリ試合開始前~試合終了後までの選手の姿です。
 特にスピーチ以外の時間、試合前や講評で判定が出る直前の緊張感は、釣られて、こちらも緊張してきてしまうほどです。一度きりの青春を生きる真剣な生徒の姿をみて、日頃の自分のゆるい態度を見直さねばと思うことが度々あるほどです苦笑
 
③対戦カードを楽しむ
 最後に、見学する試合の選び方です。
 私は、初見であれば、基本的には地区予選上位校の試合をお勧めします。噛み合った議論が期待できるからです。伝統校や強豪校がいる割合も高く、ネームバリュー的な楽しみ方もできますし、新規高であれば、それはそれで新しいスタイルに期待が持てます。特に地区一位になる学校は、一位になるだけの理由(すごい一反がいる、中学からの経験者揃いなど)がありますから、見応えがある試合を期待できることでしょう。
 また、地域から選ぶのもお勧めです。地域毎にディベートのスタイルがあるように感じるからです。スピーチ重視、立証重視など、なんとなくですが、ディベート甲子園でジャッジをしていると、地域色のようなものがみえてきて、とても興味深いと思います。ぜひ比べてみてはいかがでしょうか?(それ以上に学校毎のカラーがあるような気もしますが、それはそれで楽しめるということで笑)
 あとは、ぜひご覧いただきたいのは、決勝トーナメントです。特に準決勝や準々決勝は、ディベートのレベルでいえば、決勝以上の試合がみられるというのがディベート業界では常識化?しています。

 以上、独断と偏見で随分と書いてきてしまいましたが、観戦のご一助になればディベート普及者としては嬉しい限りです。