空想的野球劇場 -19ページ目

空想的野球劇場

読んだ野球マンガの感想など書いていきたいと思います。

ブックオフにて何気なく手に取った短編集をパラパラと眺めていると、野球の絵が目に入り、105円コーナーだったこともあり、迷わず購入。

松本大洋さんの作品だと、『ZERO』はボクシング漫画でしたが好きでした。野球漫画だと『花男』は読みましたが、「これが松本大洋ワールドなのかなぁ」という印象でした。

さて、本作品です。
高校野球の夏の予選で敗れた後の3年生部員たち4人が登場人物になります。
4人はそれぞれ「エース」、「センター」、「サード」、「キャッチャー」とポジション名で呼び合っていまして、甲子園大会を見たくないためか、部室で何日間も麻雀を打ち続けています。

実際に甲子園を目指すような強豪校の選手たちは、予選で負けたあとはどうなんでしょうね。
やっぱり甲子園大会は見たくないものなのか、それとも負けたからこそ見届けたいのか。
そんなことを考えさせられました。

それにしても、久々に読んだ松本大洋。
もはやこれはアートに近いですね。
麻雀と野球が入り混じった描写なんかは独特の世界ですし。
「これが松本大洋ワールドなのかなぁ」
やっぱりそんな印象を持たせられました。
夏の高校野球・西東京大会準決勝・都立繁森高校戦の6回表から決着までと、準決勝第2試合・東京神学VS真直高校および、その後の練習の様子までが描かれています。

『ストライプブルー』は選手心理を細かく描写していて、好きな作品のひとつだったのですが、今巻でどうも気になることがあったんです。

それはスタンドの群集を描いたコマが他の人物とあまりにも違うこと。

違うだけならまだいいんですが、あまりにも貧弱な絵でどうしても気になるんですよね。
群集が描かれる場面というのは基本的に盛り上がっている場面が多いので、余計気分が削がれてしまう気がするんです。

せめてコミックス化するときに直すことはできなかったんでしょうか?
特に43ページの繁森高校エース・三島の投球後のポーズのバックにこの群集の絵が描かれているコマには白けてしまいました。
好きな漫画だけに、変に細かいところが気になってしまうのかもしれませんが、なんとなく残念でしたね。

2008年シーズンのCS第2ステージ(VS四国アイアンドッグス)開始から日本シリーズ(VS巨人)第1戦の3回表終了までが収録されています。

違和感を感じてしまったのは巨人のスタメン。
アンダースローの里中を想定して坂本を外してまで全員左打線を組んでいるところはいいのですが、


8 鈴木
5 木村
3 小笠原
9 高橋由
2 阿部
7 亀井
4 脇谷
6 小坂
1 高橋尚


お気づきかと思いますが。

ラミレス、李が入ってないんです。(左打線なのでラミレスが入っていないのはしょうがないですが)
もう何年も前から水島先生の作品には外国人選手が出てきません。でもこれって、やっぱり違和感があるんですよね。


かつて『ドカベン プロ野球編 17巻』(平成12年)のカバー見開きのコメントで、


『外国人選手のために日本人選手の生活権や若手の働き場所が奪われており、日本人だけの日本のプロ野球の実現を夢見ている』


との記述があるほか、伊集院光さんの著書『球漫』においては、外国人選手を作品中で使う際の権利の問題でトラブルになったことから作品に外国人を起用しないようになったとの記述がありました。


いろいろと難しい問題があるようで、外国人を描かない理由はあるとは思います。

ですが、現実のプロ野球を舞台にしているだけに、やっぱり現実のラインナップに近いほうがのめり込むことができるんですけどね。