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大学生の就職の支援を行うのは、このようなご時勢で意義も

あるとは思うのですが、そのような支援は「大学生に就職する

力がなくなっている。」「大学生のレベルが低い。」ことだけを

問題にしているわけで、就職が厳しくなっている原因は本質的

にはそれではありません。


就職が厳しくなったのは、企業が新卒を雇う余力を失っている

ことが原因であって、それもリーマンショック以降の不況の

せいではなく、振り返ると企業が人を雇う力を失うようになった

訳がいくつか考えられます。




最も大きな原因は、給与カーブが立ってきたことです。

年齢や階層を横軸に、給与額を縦軸にとった場合の給与カーブ

は、例えば20年前ほどから比べると右上がりの角度が大きく

なっています。

社長の給与は新入社員の給与の何倍かという見方があります

が、その昔、日本はせいぜい10倍くらいであり、数百倍という

例もある欧米に比べて安すぎると言われていました。

ちょうどその頃から、企業のガバナンスに対する経営責任という

ものがクローズアップされるようになり、「責任の重さからすると、

日本の社長の給料は安すぎる」という雰囲気になってトップの

給与が上がっていきました。



トップだけ上がるはずはなくて、それに引っ張られるようにして

他の取締役が上がり、部長が上がりしてカーブが立ってきた

わけです。それを正当化、論理的に補完したのが成果主義とも

言えるでしょう。

つまり、高い業績や高い能力に対してもっと支払うと、従業員の

モチベーションがもっと上がっていくという理屈で、給与カーブ

を立てたということです。利益も拡大していればそれで問題は

ありませんが、そうではなかったのでこれにより、若者の取り分、

若者に対する支払い余力が減少したというわけです。



他にも、雇用を拡大する政策がずっと行われていたことがある

でしょう。

例えば、60歳定年が禁止され、高齢者の雇用延長が義務付け

られました。高齢者や障がい者の雇用状況はその報告が義務

付けられ、指導も厳しくなって大きく改善されましたし、女性の働く

場も働きやすさもなお課題があるとはいえ、昔とは大違いです。


これらはとても素晴らしいことですが、経済成長がずっとない

のに、これらの雇用拡大策だけを企業が受け入れてきたのです

から、もう新卒を受け入れる余裕など残っていないのも当然と

言えます。



就職難の本質は、これらのしわ寄せが来ているという問題であり、

その解決策は「成長」が第一ではありますが、給与カーブを寝か

せる(超難題・・・)か、例えば企業に、学卒3年以内の新卒者の

雇用義務を課すか(高齢者も障がい者もあるのだから・・・)くらい

しかないのではないかと思うわけです。