「自分ならどうする?」 | 子育て~夜遊び~お仕事

子育て~夜遊び~お仕事

★★★ 訪問いただきありがとうございます ★★★

51歳。ビジネスの裏側。
プライベートなお店情報。
まじめな時事論。社会情報。
多種多様にお届けします。

リクルートが人材が育つ会社であったとするなら、その大きな要因の

一つは「君なら(君が俺の立場なら)どうする」というリーダーの問い

かけであると思います。


社長から課長まで、部下から何か相談を持ちかけられると「お前は

(お前が上司なら)どう考える?」「君ならどうする?」と問いかけて

くるそうです。

振り返れば、それはまるでロボットのように毎度毎度ちゃんと繰り

返され、“君ならどうするロボット”が各島に一人ずつ配置されている

ようで。

何ができるといって、この問いができるようになったら課長になれる、

この問いができることがマネジャーの条件・・・そんな感じでしょうか。




そのような、ある意味でひつこい問いかけを毎日のようにされていると、

誰でも「自分ならどうするか」「今、自分としてはどう考えているか」を

考え、まとめてから上司のところに行くようになります。


自分なりに結論を出してから相談するようになりますし、上司の判断

基準や視点が分ってきますと相談するのも楽しい感じがしてくるもので、

そのうちだんだんと上司の立場で考えてみることが癖のようになって

きて、それは一つの成長と呼べるものだと思います。



今考えれば、そこでの会話の内容のレベルが高かったわけではあり

ません。

「結論を持ってから相談する」、その“結論”の内容も上司のそれに

対する反応も大したレベルではなく、また決して論理的な会話をして

いるわけでもなく、若かったので勉強も経験も不足しており、ノリと勢い

と気合が先行した会話であったと思います。

だから多分多くの失敗もあったのでしょうが、人を鍛えるという点に

おいては素晴らしくかつ簡単な一言であったことは間違いありません。


コーチングという概念も言葉も存在せず、30年前のそれこそ俺の背中

を見てついて来いという時代に、「君が俺の立場ならどうする」なんて

いう言葉を部下に投げるような組織風土を作ったのは誰なのでしょうか。


リクルートというと、スピードと内部的競争関係とハードマネジメントの

イメージが強いと思いますしそれは事実でしょうが、一方で「君なら・・・

どうする?」といった、待ってやる姿勢、育てるスタンス、意思を尊重

しようとするコミュニケーションがそれらと立派に両立していたことは

不思議と言えば不思議ですね。



今、その風土が活きているかは多少疑問がありますが、根にある土壌

は決して悪くないわけですから、既存のRマンは頑張って欲しいですね。