昨日、週明け早々ショッキングな出来事がありました。
よく知る会社で、管理部(経理)の上席者が失踪したのです。
結果的には「不祥事」ということになろうかと思いますが、私も
よく知る方だっただけに驚きを隠せませんでした。
こういう、失踪(詳細は存じ上げませんが金銭絡みのようです)
あるいは横領というものは、よくあるといえばそれまでですが、
起きたときに何を考え、どんな言動をとるかで会社や責任者
である役員の「本性」がよく見えます。
①管理部門責任担当役員が、その人と接触をもった社員を
1人ずつヒアリングし、細かいやりとりを見つけ
「なぜ、俺に報告しないんだ!」と怒る
・・・>役員の保身と責任のなすりあいのような影が見えて
全くだめですね
②やっぱりおかしいと思ったよ、とその人を酷評する
・・・>ある意味一番最悪な言動です。全く他人事で当事者
意識ゼロです
③何が、●●をそこまで追い詰めたのか。
(記憶のよみがえる限り言動を思い起こし、内省する)
・・・>「今後」に視点を置いたときに、一番まともな言動です
こういう不測の事態で、人や会社の「なり」が見えますが、経営
としてまず”現状”における【事実】を把握し、第三者への影響や
会社としてすべき優先順位を数時間のうちに掌握することが
大事です。
次に、金銭が絡む場合、自社内のことではなく、外部への影響
を最小限に留める努力をすべきです。
支払いが遅延したりすることで「信用」を毀損することは、会社
として最も注意しなくてはいけないことです。
次に、社内への影響を最小限に抑えること。
同じ部署の人は当然動揺するでしょう。
中には、この事実を外部の人間に面白おかしく吹聴する人も
いるでしょう。
こういう、「余波」を最小限に食い止める努力。
次に、【事実】の度合いにより、経済事犯の場合「資金回収」の
手立てをとる、ということ。
身元保証人がいる場合は、まず事実報告と相談。
同時に弁護士等との相談も大事です。
身元保証も期限を定めない限り、3年や5年でその効力を失効
するので経営者は注意が必要です。
金額によっては会社運営に重大な影響を与える場合があります
から、即刻回収の手立てを考える必要がありますが、身元保証
の方から一括で回収できる、ということはまずないでしょう。
奥さんや旦那さん、ご両親も法的に対抗権を行使する場合も
あるでしょう。
そうなれば、時間だけが流れ本当に倒産する可能性があります。
経営者はときに非情な判断、といわれることも決断しなくては
いけないですが、当事者の背後にいる奥さんや子供のことを
考えると躊躇することも多いでしょう。
「罪を憎んで、人を憎まず」といいますが、経営者によっては、
感情的になりそんな神様のようなことを言う人はいないかも
知れません。
しかし。
そもそも、この事態が起きた責任は経営者にあるのです。
そのことを忘れてはいけないのです。
(備忘)
・ 身近で一見安心感のある人や、バックグラウンドを持った人
ほど、「距離感」と「観察」が大事です
・ 無理難題を負わせ続けると、人は必ず「逃避」の道をさまよい
結果的に破滅します
負わせた後の「評価」がとても大事です
・ どんな仕事も1人の人間に権限を集中させてはいけません
分散と定期的な入替え(人事)が大事です
・ 恐怖政治を敷いた会社に良いことは「微塵」もありません
※以前、「プロジェクトX」か、何かで経営の先輩が実に明快な
ことを言っていました。
きれいな花には、きれいな「蝶」がとまるが
うんこには「蠅」しかとまらない
経営者が「花」なのか「うんこ」なのか。
それは自分が一番よくわかるはず。
「内には出来の悪い社員しかいない」とぼやく
社長は自分で”ぼくはウンコ”なんです、と
言っているようなものです。
と。