マネジャーとなって部下を持つと、大抵は半年に一度、
部下の評価をすることになるわけですが、メンバー時代
と何も変わらない意識で「仕事だから、よく分からんけれ
ども評価しないといけない」くらいの感覚でそれに臨む
人が少なくありません。
評価者には3つの側面があり、それを十分に認識して
取り組むべきです。
まず「権力者の顔」。
評価の結果は本人の昇給や賞与、昇格などに反映されます。
つまり本人の処遇やひいては生活に影響を与えます。
もちろん「どうだ、俺は評価という権限を持っているんだ」という
ような勘違いはもってのほかですが、逆に、処遇の決定に参加
している重さを意識せずにいるのも問題です。
人事制度の理解はもちろん、権限を行使するに値する高い
意識と評価の技の習得が欠かせません。
次に「代弁者の顔」。
評価には調整がつきものです。
職種や部門、拠点などが異なるものをどう評価するかは容易
でない課題ですし、プロセスにおける個別の諸事情を勘案する
ことは納得性を高めるために非常に重要であり、評価結果の
決定にはこれらを視野に入れながら全社的観点に立って調整
することが必要です。
こういう場で、本人になりかわって主張すべきを主張するのが
上司の大切な役割と言えます。
三つ目は「支援者の顔」。
目標を設定してから評価の時期が来るまで、その達成に対して
アドバイスやサポートをせずに見ているだけでは、当然、上司
失格です。
評価をする立場になったとは言え、達成に向けて惜しまず協力
すべき立場であることは、それまでと何も変わることはない、
というより更にその達成に対してコミットしていくべき立場になって
いると考えるべきです。
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が、大企業だからな・・・。というのではなく、こういう意識1つが社員
のモチベーションや能力の引き出しを上げていくのではないか、
そう思うわけです。