船体などで、重心が高いため波など横からの力によって
転倒しやすい(復元力が弱い)状態のことをトップヘビー
と言うそうです。
船やクレーンの転倒は、トップヘビーによって起こるという
わけです。
これを組織に見立てて、管理職層など上位階層の人数が
多い状態や、経営幹部が鈍重な状態などをトップヘビー
と呼びます。
船と同じで、企業も波がなく追い風状態の環境ばかりでは
ありません。
横からの波や風にあおられるのは当然で、そういう場合に
トップヘビーだと変化に対応することができず倒れやすい
ということになります。
もしくは、船頭多くして船山に登る、ことになってしまいます。
では、重心が低い方がよいかと言うと、これはボトムヘビー
と言うそうですが、安定して倒れにくい替わりに、乗り心地が悪い。
復元力が強いので、少しの横波に揺られても、すぐに元に戻る
ことで船がグラグラするわけです。
組織に見立てるなら、経営幹部や管理職の存在が軽く、
影響も小さいので、現場が勝手にやっている状態。
現場で起こる変化に反応する力はあるものの、その内容は
バラバラで右往左往してしまっている感じでしょうか。
客船では、波風の状況が穏やかなエリアならトップヘビーに
近づけて、より速く進むことを優先し、海が荒れているエリア
になると、ボトムヘビーに近づけてスピードを抑えても安定を図る
のだそうです。
事業環境に応じて、重心の位置を変える。組織運営にも、
参考となる考え方ですね。