表記のタイトルは岩波ジュニア新書より発行されている書籍の名前
である。著者は森嶋通夫という教育者が記述している。
日本での教育現場と、米国や英国の教育現場を比較しながら本来
あるべき姿を提案している。
日本では学歴社会は終焉した、という諸氏がいるが採用や人事の
現場に携わる人間としてそのようには全く思わない。
むしろ時には非常に重要だな、と感じることさえある。
とある企業で面白い「Story」を聞いた。
「帰国子女」に優秀な人が多いのは、その家族背景に起因することが
多い。幼少期を海外で過ごす、あるいは海外で生まれる、これは当然
ながら両親が海外に赴任するに伴い移住したことが背景にある。
海外赴任する親。
これはサラリーマンの世界でいえば、大手企業が海外現地法人を有
する可能性が高く、その大企業に就職している経済成長を支えた
親というのは大半が「偏差値」の高い「一流大学」を卒業している
場合が多い。その妻(母親)にしても日本の風土上それなりの教養を
備えた女性が多い。
つまり。
家柄のよい、偏差値の高い両親に育てられた子弟というのは相当の
確立で親と同等もしくはそれ以上の教養を持ち、性格的にも尖った
部分がなく、組織の中で伸びやすい。
ということらしい。
採用の現場では確かにそのような経歴の人は有名大学や有名企業に
就職している事例を多く見るが、このような考えをもつ「企業人事」
の方に是非一読していただきたい一冊である。