『萃夢想編３』は既に7月15日に公開されていましたが、7月22日付で『萃夢想編おまけ』が公開され、これが本編制作時における裏話を明かしてくれていたりして、実に興味深い内容となっています。
【満福神社公式 manpukujinja】
幻想万華鏡の映像化されてないストーリーを紹介・萃夢想編３
（公開日：2023年7月15日、再生時間：5分04秒）
幻想万華鏡の映像化されてないストーリーを紹介・萃夢想編おまけ
（公開日：2023年7月22日、再生時間：3分46秒）
『宴会の異変の章』の原作にあたる『東方萃夢想』のストーリーは、今や幻想郷からいなくなった鬼の一人である伊吹萃香がひょっこり幻想郷に戻ってきて、他の鬼たちを呼び戻そうと、術を用いて何度も繰り返し宴会を開かせる、というもの。
鬼は皆、酒を飲んで陽気に騒ぐのが大好きなので、何度も宴会を開けば、行方知れずになっている仲間たちが帰ってくるのではと、萃香は考えたのだった。
このストーリーが映像化されなかった最大の理由は、何度も繰り返される宴会のシーンを描くのが困難だったから。
たくさんのキャラクターを描き起こさなければならない宴会シーンは、実は戦闘シーンよりも手間がかかるのだということを、私は上の動画を視聴して、初めて知りました。
なるほど、言われてみれば納得ですね。たくさんのキャラクターをただ描けばいいわけではなく、その性格ごとに描き分けなければなりません。
同じ酒を飲むにしても、ある者は酔って陽気に騒ぎ、ある者は酔いつぶれて寝転がり、妖精たちははしゃぎまわる‥‥。
そういったことが何度も繰り返されれば、参加者も疲れてくるから（だからこそ霊夢が最後は萃香を懲らしめる）、その変化も描き分けなければなりません。同じ映像を使いまわすというワケにはいかないのです。
なるほど、確かにこれは、困難な題材ですね。
そこで思い出したのは、第18話（最終話）のラストの温泉入浴シーン。
たくさんのキャラクターが集まってきて、温泉だから当然オールヌードで入浴する。
私はこのシーンを単なるファンサービスだと思っていましたが、別の事情もあったのかもしれません。
すなわち、最後を飾るシーンには、これまでの全キャラクターをなるべく出したいところだけれど、新たに描き起こすのは困難です。なぜなら、クオリティを落とすことなく描かなければいけないからです。
しかし、ヌードなら描きやすい。なまじ本来の姿で描くよりは、衣服を身に着けていない状態の方がはるかに描きやすかった。
幸い、2、3、4話のオープニングのタイトルバック映像、及びそのオープニング主題歌『月に叢雲華に風』のPVで、既に温泉入浴シーンは作成されてあった。
だから後は、そこに出ていないキャラクターの入浴シーンを新たに作って、両者をつなげばいいのです。
同人アニメ制作の難しさが、こんなところにも表れていたのですね。
ただ、やはりそれでも私は、なるべくヌードシーンはやめた方がいいと思います。
なぜなら、『東方Project』のファンは、男性だけではないからです。
2019年11月27日付の「満福神社」公式Twitterで、「健全な入浴シーンであり、どんなに画像を拡大したりしても特にやばいものは映ってないので大丈夫です」とつぶやかれていましたが、これは完全に男性目線の意見ですね。
小学生、中学生、高校生の女の子のファンだっているのに、「特にやばいものは映ってないので大丈夫」というのは、いささか認識が甘すぎるように思います。
「やばいもの」が見えなくても、全裸の全身像が描かれていれば、やはり女の子たちは不快感を覚えるのではないでしょうか。
私が『東方Project』のことをブログで初めて取り上げたとき、中学生の女の子が自分も『東方』が好きだというコメントをくれました。
私がコメントへのお礼がてらその女の子のブログへ行ってみたところ、「フランちゃんが大好き」という本人による書き込みがありました。
「フランちゃん」というのは、もちろんフランドール・スカーレットのことですね。その「フランちゃん」も、例の入浴シーンで全身ヌードになっています。
【『東方Project』のキャラクターたち】
左から、フランドール・スカーレット、レミリア・スカーレット。
（背景・夜空：HansによるPixabayからのフリー画像）
（満月：満月の月空に輝く夜 pngから ja.pngtree.com/）
『東方Project』には、フランの他にも女の子のファンに人気のキャラクターが多数存在しています。
私が心配しているのは、『幻想万華鏡』の最終話をたまたま視聴した女の子のファンたちが、自分たちの大好きなキャラクターがヌードにさせられているのを見て、果たしてどんな思いを抱くだろうか、ということです。
この最終話は、定価10,000円（送料等は別）のBlu-ray Boxにのみ収録されているので、これを購入しなければ観ることはできず、小・中・高生の人たちがおいそれと観れはしないのだけれど、それでもお小遣いを何とかやりくりして、件のBlu-rayBoxを購入する女の子のファンだっているかもしれません。
そうして、やっとの思いで購入したBlu-rayディスクを再生してみたら、大好きなキャラクターがヌードになっていた‥‥。
私は男だから、女の子の気持ちは分かりません。だけど想像するに、その女の子は大切な友達を汚されたように思ってしまうのではないでしょうか。
ちなみに、最終話のラストシーンは、霊夢と魔理沙の二人のお揃いのヌードシーンです。
作画スタッフの大変さは理解できますが、13年間やってきて、最後を締めくくるシーンがこれでは、何だかなあと思ってしまうのは私だけでしょうか。
温泉から上がった二人の元へ、また新たな異変が起こった知らせが入り、「魔理沙、行くわよ！」「おう、分かってるぜ！」てな感じで二人が出動していく、そんなラストでも良かったのではないかと思ってしまうのです。
【『東方Project』のキャラクターたち】
左から、博麗霊夢、霧雨魔理沙。
（背景・魔法の森：フリー素材ぱくたそhttps://www.pakutaso.com/）
（指先の光：白米の言葉霧の聖なる光の点滅特殊効果 pngから ja.pngtree.com/）
（キラキラの光：閃光 pngから ja.pngtree.com）
何はともあれ、「満福神社」の皆さん、13年間お疲れ様でした。
↓『幻想万華鏡』の最終話が収録されたBlu-ray Boxは、このサイトで購入できます。
満福神社のBOOTH
https://manpukujinjya.booth.pm/
なお、今回の2枚の画像は、2020年7月に当時使っていたパソコンで作ったものを、リメイクしてみました。
（おまけの動画）
【. dairi】
【手描き】Win版全キャラ＋α立ち絵まとめ【東方】
（公開日：2015年6月26日、再生時間：8分06秒）
（上の画像のキャラクター素材：dairiさん、はるかさん）
dairiさんのpixivのページ
https://www.pixiv.net/users/4920496
はるかさんの「ニコニコ静画」のページ
https://seiga.nicovideo.jp/seiga/im3189645
上海アリス幻樂団
満福神社
